土地を取得すると所得税がかかる!? 時効の援用と一時所得
現ナマが入ってきてないのに所得税がかかるのは
暗号資産(仮想通貨)とは限りません。
土地取得で所得税!? 知っているは無駄じゃない
知識や情報があるだけでは役に立たない、と一般に言われています。
アウトプットや活用こそ重視すべきである、と続くことが定番です。
正論ですが、知識や情報からのアウトプットが重要ということが
インプットと相反するわけではありません。
初歩的で乏しい理解であっても、知識やインプット無しでは
次の段階を想定した手が打てなくなります。
私は税理士なのでインプットの対象は税務会計が中心ですが、
それだけでは足りません。
たとえば、土地を時効の援用で取得は民法や登記と関連しますが、
所得税とも関連します。
土地取得で所得税!? お金が入ってこないのに所得税
通常の所得税の対象は「収入」に対する課税という印象です。
所得税の仕組みでは、収入にダイレクトに課税ではなく、
事業所得であれば利益にあたる「所得」に課税します。
収入≠所得というわけです。
とはいえ、それでも収入があるならお金も入ってくる
と直感的に連想してしまいます。
上記の発想は大半の所得税には当てはまります。
だからこそ、1円も手元に入ってきていない取引なのに
税負担の可能性が生じる暗号資産取引は注意が必要となります。
(暗号資産(仮想通貨)の確定申告の手続きは難解か?)
暗号資産のような先進的な課税問題には縁が無い、
フツーの昔っからありそうな取引しかしてないはず、
といっても油断はできません。
土地を時効の援用で取得するケースがあります。
民法162条に時効による所有権の取得が確認できます。
隣地との境界をめぐって土地を時効の援用で取得する可能性があります。
占有している土地の所有権を取得したといっても、
お金が入ってくるわけではありません。
しかし、所得税の「一時所得」として課税の対象です。
土地の「時価」を起点に一時所得を算出します。
土地取得で所得税!? 一手詰めからもう一歩
寿司でも土地でも「時価」と書かれていると不安になります(笑)。
土地を時効の援用で取得するという選択が可能であっても、
取得後の所有権移転登記や所得税の負担があります。
土地の所有権を確定させるために時効の援用による取得
という手は明快な一手です。
一方、時効の援用による取得は民法上の選択肢ですが、
所得税とつながっています。
取得後の税負担次第では詰んでしまう危険性もあります。
土地をめぐる問題の解決では、
- 土地家屋調査士
- 不動産鑑定士
- 弁護士
- 税理士
によるサポートが有効になります。
一手詰めからもう一歩先までを専門家と進めることがおすすめです。
蛇足
「時効」は一昔前のサスペンスやミステリーで定番のネタでした。
(「時効警察」なんてドラマもありましたね)
直感的には刑法の時効がわかりやすい印象です。
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