暗号資産(仮想通貨)の確定申告の手続きは難解か?

サラッと上っ面を眺めてみると印象が変わります。

「にちぜいくん」。2月23日は税理士記念日です。

暗号資産の確定申告 奇々怪々!?魑魅魍魎!?

「暗号資産 確定申告 税金」の字面をみると、
不穏な気配を感じるかもしれません。

メディアでとりあげられる暗号資産の話題は、

  • 相場の急激な変動
  • 巨額の納税負担
  • 脱税

といった不安を煽る内容が目立ちます。

事実の一側面であっても、近寄りがたい印象です。

とはいえ、暗号資産によって得られた所得も
確定申告の対象です。

ほったらかしにはできません。

暗号資産の確定申告 ぱっとしない申告手続き

暗号資産の税務上の取扱いについては国税庁より
下記の資料が公表されています。

根拠不確かな情報に踊らされているよりも上記の資料で
正確な知識を確認することがおすすめです。

この記事では暗号資産と税金の詳細な仕組みよりも
確定申告の手続きをサラッと上っ面を眺めてみます。

暗号資産の取引による所得は「雑所得」に区分されます。

雑所得は所得区分の中でも他に分類されない所得
という点で雑多です。

年金や副業・副収入なども雑所得です。

暗号資産による所得が雑所得とされていることで
確定申告では以下の取り扱いとなります。

  • 総合課税 → 超過累進税率
  • 事業所得や不動産所得のような決算書は不要

見方を変えると、暗号資産からの所得は、

  • 収入 - 必要経費 = 利益 → 所得

となるので、収入と必要経費が集計できていれば
確定申告のデータは揃います。

「確定申告書等作成コーナー(国税庁)」の雑所得でも
暗号資産からの雑所得に対応しています。

準備の良いことに国税庁では暗号資産の集計フォームも準備しています。
(「暗号資産の計算書」で検索すればエクセルファイルがヒットします)

利用している取引所からの取引報告書のデータを入力すれば
収入や経費をもとに所得額がわかります。

暗号資産からの所得があるといっても確定申告での形式面では、

  • 年間取引報告書を入手する
  • 「暗号資産の計算書」で収入・経費・所得額を把握する
  • 「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作成する
  • 申告書を提出して納税する

と特異な手続きはありません。

拍子抜けする印象かもしれません。
(すべてを地味にする申告書 キラキラ感がなくなる理由)

暗号資産の確定申告 問題を切り分けておく

暗号資産と税金の間での問題は確かに存在します。

  • 他の所得と損益通算できない
  • 損失が繰り越せない
  • 所得があっても納税資金が足りない

暗号資産と税金の実質的な負担や不安があることは事実です。

脱税やそれによる裁判も行われています。
(仮想通貨で脱税の裁判を傍聴しました in金沢地裁)

反面、形式的には暗号資産による所得だからといって
過重な確定申告手続きとなっているわけではありません。

得体の知れない取引や所得とタブー視するよりも
問題を切り分けてとらえることが建設的です。

 

蛇足
毎年2月23日は税理士記念日です。
税理士法の前身である税務代理士法が1942年(昭和17年)
2月23日に制定されたことに由来しています
「にちぜいくん」は日本税理士会連合会(日税連)
の公式キャラクターです。
知る人ぞ知るキャラクターです(笑)。

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