勘定科目を追加して利用しても良いか?
「預け金」か?、「メルカリ」か?

モヤモヤして手が止まるもどかしさがあります。

わかってしまえば、どうということはなかったりします。

勘定科目の選択もそういった問題の一つです。

スッキリとした甘さの「さわし柿」

勘定科目追加 当てはまらない!?

学んだことを実践にかそうとしたときに、

  • 例示やサンプルと異なる
  • 置かれている状況がわからない
  • 間違った判断で状況を悪化させるのではないか

という事態を前に手が止まることがあります。

モヤモヤして先に進めない状況です。

問題を一旦棚上げにするや先送りするという選択肢もありますが、
一時しのぎでしかありません。

そういったときの解決策として、

  • 知識や情報の不足を補う
  • 手持ちの知識を利用して、妥当な判断を導く

といった選択をすることになります。

たとえば、会計処理での勘定科目の選択。

勘定科目追加 仕訳の仕様を確認する

商品の売買での勘定科目では、

  • 売上
  • 仕入
  • 売掛金
  • 買掛金
  • 現金預金

という勘定科目が使われます。

売上10,000円を請求したときには、

  • (借方)売掛金 10,000 (貸方)売上 10,000

上記が預金口座に入金されたときには、 

  • (借方)預金 10,000 (貸方)売掛金 10,000

という一連の仕訳で処理できます。

上記の結果は、

  • (借方)預金 10,000 (貸方)売上 10,000

ということになります。
 (売掛金が振り替えられて相殺されるからです)

ちょっと困るのは、個人事業主で「メルカリ」を利用している場合。

シンプルな売買に「メルペイ」が介在します。

メルペイを介して、

  • 売上
  • チャージ
  • 事業用の仕入
  • プライベートの支払い
  • 預金口座への入金

といった処理があります。

売買取引に加えてお金の入出金、さらに事業とプライベートを
処理する必要があります。

結論から言ってしまうと、

  • 預け金(流動資産)」勘定を利用する

という選択がおすすめです。

  • 売上   (借方)預け金  (貸方)売上
  • チャージ (借方)預け金  (貸方)預金
  • 事業仕入 (借方)仕入   (貸方)預け金
  • 個人利用 (借方)事業主貸 (貸方)預け金
  • 預金入金 (借方)預金   (貸方)預け金

    うっかり「預り金」と誤解しない注意が必要です。
     (「預り金」は流動負債の勘定科目です)

    勘定科目追加 他の選択肢もある!?

    天下り式に結論だけを了解することも悪くありません。

    「預け金」といった勘定科目を利用する知識の補充は
    結果的にプラスになります。

    とはいえ、上記のような知識や情報が無かった場合、
    あるいは妥当性の判断に迷うケースも考えられます。

    上記のメルカリの仕訳では、「メルペイ」が介在するとはいえ、

    • 売上の除外をしない
    • 架空の経費の計上をしない
    • プライベート利用を分離する

    という仕様の仕訳が必要とわかります。

    下記のように不明な勘定科目を「○○」として表すことができます。

    • 売上   (借方)○○   (貸方)売上
    • チャージ (借方)○○   (貸方)預金
    • 事業仕入 (借方)仕入   (貸方)○○
    • 個人利用 (借方)事業主貸 (貸方)○○
    • 預金入金 (借方)預金   (貸方)○○

    「○○」が売上にも経費にも影響を及ぼさないためには、

    • 貸借科目

    ということが判明しますし、

    • お金として機能する資産性がある

    ということもわかります。

    「預け金」という勘定科目が唯一の正解ではなく、

    • 「メルカリ」勘定

    といった勘定科目の追加も選択肢になります。

    会計処理の勘定科目の選択で悩んだら、

    • 知識や情報の補充
    • 処理の妥当性

    という両面からの検討がおすすめです。

    検討が済んで選択した後は、処理を継続していくことになります。

     

    蛇足
    アイキャッチ画像は「さわし柿」です。
    漢字で表記すると「醂し柿」です。
    渋柿を加工することですっきりとした甘さの柿に変貌します。
    干柿とは違う初冬の味です。

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