頑張り方を間違えない 青色申告と消費税の微妙な問題

どこで変えるか?、分かれ目です。


常に余る、常に足りない電池

頑張り方を間違えない 積極的な方は応援したい

確定申告で相談を受けていると、
・電子申告(e-Tax)をやってみたい
・自分で申告をしてみたい
・医療費控除の集計方法はどうやる
といった、積極的な問い合わせも多々あります。

比較的若い年齢の方は、電子申告に前向きですし、
ご年配の方は紙での申告を選択される傾向があります。

多少の違いはあれ、それほど込み入った申告内容でないなら、
納税者自身での申告がおすすめです。

込み入っていない申告としては、
・年末調整をされていない
・医療費控除がある
・住宅ローン初年度
・年金生活者
といったケースがよく目にします。

また、事業をされている方でも、
記帳・決算・申告のすべてを依頼する(丸投げ)のではなく、
記帳だけはご自身で処理されることもおすすめです。
税金ウンヌンより事業の管理上、テンポが上がります。

積極的な行動をされている方とのお仕事は、
仕事の反応(レスポンス)が速いので、魅力です。
(楽ではありませんが(笑))

頑張り方を間違えない 青色申告の簡易簿記の落とし穴

フリーランス・個人事業主の方の記帳は、白色申告と青色申告があります。
さらに、青色申告は簡易簿記と複式簿記に分かれます。

複式簿記での記帳は、日常経理は事業主、チェックや決算は税理士での分担がおすすめです。

白色申告や青色申告の簡易簿記では、事業主による記帳が可能です。

1年分を一気に処理はおすすめできませんが(笑)、
日々の経理や月ごとの処理は、定型化もしやすく、負担も少ないケースがよくあります。
パソコンを使用している方なら、入力にも支障ないと思います。

しかし、そうした積極的に経理もされる方だからこその落とし穴があります。
消費税です。

消費税の仕組みは、基本的にはシンプルです。
取引の際に受け取った消費税から支払った分の消費税を差し引いて納税する。
受取消費税-支払消費税=納付額
(説明上、一般のテキストと異なることばを使っています)

とはいえ、実務上は上記のシンプルさからは距離感のある処理となります。
理由は、消費税特有の分類を取引ごとに集計する必要があるためです。
・取引ごとの課税区分:課税、非課税、不課税
・適用する税率:標準税率、軽減税率
さらに、経理方式は税抜or税込の選択。
税金の計算方法は、原則or簡易課税の選択。

所得税は、基本的に1年間の結果をまとめて処理します。

一方、消費税は一つ一つの取引の積み重ねが結果に直結します。

複式簿記での処理は、パソコンや会計ソフトでの処理が前提です。
経理処理と消費税処理がセットになります。
(そういうものなのです)

これに対して、簡易簿記での記帳では
会計ソフトを使っての集計ほど容易ではありません。

抽象的になりますが、
損益計算と別の取引である消費税の処理は、
複式簿記や会計ソフトとの相性が良いのです。

表計算ソフトで簡易簿記を選択していると、
損益計算や所得税の申告には支障がありません
しかし、消費税の申告では取引の処理を再度チェックして、
消費税の処理をする必要があります。

頑張り方を間違えない 自力を割り切る境目

売上高が1,000万円を超えると、消費税の課税事業者となります。
売上高が5千万円以下なら簡易課税の選択も可能です。

簡易簿記で消費税の処理が不可能なわけではありません。

ただし、消費税の課税事業者となることは、
簡易簿記での事業主による経理体制の見直しのきっかけになります。

経理を重視するからこそ、自力とは別の選択肢の利用が有効にもなります。

 

蛇足
実務上シンプルな税制は無いもんだな―、と思っています。

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