還付はキャッシュバックキャンペーンではございません!

そもそもですねー・・・


いつでもお帰りください

還付の誤解 キャッシュバックという誤解

話がとんとん拍子に進んで、最後に落とし穴の展開があります。

たとえば、住宅ローン初年度での還付申告。
私「住宅ローン初年度で還付を受けるには、確定申告が必要です」
お客様「売買契約書とか、登記事項証明書とか、ローンの残高証明書が必要なやつだよね?」
私「はい!(こりゃ楽勝(笑))」
お客様「家買うと、お金のキャッシュバックがあるんだよねー、よくわかんないけど」
私「!?」
明らかに温度差を感じる展開です。

確定申告期になると、例年なら税務申告に馴染みの無い方も確定申告をされます。
・医療費控除
・住宅ローン初年度
上記は、確定申告や税金というより「還付」やお金がもらえるの印象が強いようです。

還付されるお金は、抽象的には納税者本人の負担です。
出所不明の錬金術が発動されたわけではありません。
(税理士も錬金術は使えません。残念ですが(笑))

還付の誤解 源泉徴収と年末調整の最強最凶コンボ

収入のうち、所得税の対象になるものが所得です。

事業をされている方なら、
収入-経費=利益(=所得) です。

勤務されている方では、
給与収入≠給与所得 ではなく、
給与所得-給与所得控除(こうじょ)=給与所得 です。
給与額に応じて、機械的に給与所得が決まります。

毎月の源泉徴収は、上記の給与所得により決まります。

源泉徴収は、給料から支給前に天引きされる所得税額です。
(社会保険料も天引きされます)
本来、1年間の終了後に納税する所得税を
源泉徴収制度で機械的に前払いする仕組みです。

機械的な前払を本来の所得税額に調整する仕組みが、
年末調整です。

源泉徴収制度と年末調整で処理が完結するならば、
所得税の確定申告は不要となります。

還付をされる方が誤解されるのは、
そもそも個人所得税が申告納税制であるのに、
源泉徴収制度と年末調整があるため、
確定申告が例外的な処理と感じてしまったり、
確定申告と還付のつながりがわかりにくかったり、となります。

その結果、還付されるお金が出所不明の錬金術の成果となります。

還付の誤解 還付は申告の結果の一つ

年末調整は、源泉徴収を精算する仕組みの一つです。
勤務先でできる内容のみを対象に処理します。
(「勤務先でできる内容」は課税庁目線です)

年末調整の対象外の処理は、本来の申告納税、
確定申告で行うことになります。

冒頭の話の続きでは、
お客様「とにかく書類準備して、税務署に送っとけばいいんでしょ?」
私「はい、確定申告書と一緒にです」
お客様「金戻ってくるのに、なんで申告するの?」
という展開でしたが、上記のような説明で納得していただきました。

税金の還付は、確定申告の結果の一つです。
確定申告の結果、納税もあれば、還付のケースもあります。

所得税の本来の仕組みである申告納税制度ですが、
その仕組みを還付という部分でとらえると、錬金術が登場します。

誤解の正体は、自身の確定申告書で解き明かせます。

 

蛇足
勤務されている方にとっては、
確定申告書=始末書、イメージなんでしょうか?

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