赤字も経営資源! 青色で黒字への準備

なんでもかんでも、どうやってでも!


黙っていないあんバターサンド みきんち(金沢市)

赤字も経営資源 赤字の原因

うーんっ、と唸ってしまうことがあります。

厳しい結果を突きつけられたときです。
結果がいまさらどうしようもない場合は、一段と凹(へこ)みます。

試験の結果発表は、そうした誰もが経験してきた例です。

事業でのそういった状況は、赤字、損失が確認されたときです。

事業には良いときも悪いときもあるとはいえ、凹みます。

赤字の原因は、損益の構造からシンプルに理解できます。
・収入-経費=利益
・利益>0 → 黒字
・利益<0 → 赤字
つまり、収入<経費なら赤字です。

こうしたシンプルな分析でもうっかりしがちなことがあります。
収入や経費は、お金の動きとは必ずしも一致しません。

たとえば、創業間もなく投資を行い、売上がこれから発生するなら、
収入<経費で、赤字となります。

また、収入>経費で黒字であっても、
お金の回収が滞っていると、黒字でも経営がストップします。
(黒字倒産というやつです)

赤字も経営資源 ほったらかしにしない

事業を続けるなら黒字続きが良いのです。

とはいえ、赤字という状況はありえます。

2020年(令和2年)からのコロナ禍は、それまで上げ潮ムードだった観光業・飲食業を一気に追いつめました。

赤字になる可能性はあります。

大切なことは、そうした状況をほったらかしにしないことです。
損益の基本に戻ると、収入と経費の見直しが事業者の課題です。

そうした事業上の選択とは別に、税務会計上の選択肢もあります。
損失の繰越です。

収益の構造は、収入-経費=利益です。
利益<0ならば、赤字です。
そして、こうした結果はお金の動きとは別モノです。
言い換えれば、書類上の赤字はお金と別モノの扱いが可能です。

青色申告の特典の一つに、損失の繰越があります。
事業で生じた損失を3年間繰越せる制度です。

黒字、つまり所得があるときに、その所得に応じた税負担が生じます。

損失の繰越は、赤字を書類上繰越すことで、
翌年以降の税負担を軽減できる仕組みです。

赤字も経営資源 青色で黒字へ逆襲の準備

赤字、損失の繰越が将来の税負担を軽減できる手段になります。
将来の税負担を軽減するという点で、赤字は経営資源です。

ただし、個人の事業でこうした仕組みを使うためには、
青色申告での確定申告が条件になります。

事業所得であっても、白色申告ではこうした措置はとれません。
単年度の税負担軽減だけでなく、将来のリスクを織り込んでの青色申告がおすすめです。
今年から青色申告を始めるなら、3月15日までに青色申告承認申請書を税務署に提出すればOKです。
(青色○○ 青色申告とは別に早めに)

赤字も経営資源として、黒字化したときの負担も減らす、
青色申告の申請のきっかけになります。

 

蛇足
冒頭の写真は、「ぱん焼きば みきんち(金沢市泉本町)」で購入。
なぜか、この1個だけが怒っていました(笑)。

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