相続の資料は足も使う!?
ブルーマップが無い地域の資料集め
in石川県
オンライン隆盛の時代とはいえ「安楽椅子」税理士とはいきません。
最善・最優先以外の代替手段を探しに行くこともあります。
石川県での例ですが、他の地方でもご参考にできるかもしれません。
相続資料集め 申告納税のはぐれ者?
納税者が自ら申告して納税する国税といえば、
- 所得税
- 法人税
- 消費税
- 相続税
が思い当たります。
相続税は他の3つとは明らかに異なる特徴があります。
- 相続の発生が引き金になる
- 一度の相続で複数人の納税者が関与する
- 財産の「評価」が重視される etc.
財産の評価では、通達や判例、資料といった根拠を
そろえておく必要があります。
この点は他の税目も同様です。
相続税でやや困るのは、
- 相続税のために用意されている資料が無い
といった点にあります。
相続資料集め ブルーマップが無い地域
相続で登場する代表的な財産として土地があります。
相続に限らず重要な財産や資産であり、利害関係も絡んでいます。
相続に関連する資料では、
- 名寄帳-自治体
- 登記簿・公図・地籍図-「登記情報提供サービス」
- 路線価図・倍率表-国税庁サイト etc.
といった収集が必要になります。
ウェブで入手できる資料も増えてきています。
(不動産データオンライン・キャッシュレスで入手!)
公的機関ではありませんが、「住宅地図」も有効です。
とくに「ブルーマップ(ゼンリン)」は有用性が知られています。
ブルーマップが手元に確保しておきたい資料です。
一方で、地方ではブルーマップが発行されていない地域があります。
たとえば、私の住んでいる石川県。
金沢市以外ではブルーマップが発行されていません。
住宅や建物などのが所在している土地の確認は通常の住宅地図でできても、
「農地」の確認となると困りものです。
農地のデータであれば「eMAFF農地ナビ(農林水産省)」の利用で、
- 農振法区分
- 都市計画法区分
といった確認ができます。
データがあれば贅沢は言えない、と言いたいところですが、
ちょっと欲が出ます(笑)。
相続資料集め 足で稼ぐ
ブルーマップの無い地域で地番を調べる場合、
- 市町村役場の資産税担当に問い合わせてみる
という手段があります。
先日、石川県内の某市役所資産税課に地番を照会したところ、
- 「メ―サイズ(刊広社、金沢市)」に書いてありますよ
というアドバイスをいただきました。
刊広社は北陸などのローカルな地域の住宅地図を発行しています。
全ての地域ではありませんが、通常の住宅地図(普及版)だけでなく、
ブルーマップに相当する「地籍版」も発行されています。
ブルーマップの不足をカバーできる資料です。
魅力のある「メ―サイズ」ですが、留意点もあります。
- 高額(1冊3万円前後)
- 「小売り」はしていない
おすすめは図書館でのコピーサービスの利用です。
紙、窓口まで出向く、現金決済という点はひっかかります。
とはいえ、有効な資料の収集の価値が勝るのであれば、
資料を足で稼ぐ選択肢もあります。
蛇足
アイキャッチ画像の俳句は加賀千代女の作です。
冬の北陸の鉛色の空を眺めると、そろそろ雪が降るかな?
という時期になってきました。
蛇足2
図書館で「メ―サイズ」のコピーを利用したところ、
1枚40円でした。
今週のスタエフ
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