税理士は敵か味方か?
相続問題での誤解にご注意!
特定の炎上案件を抱えているわけではありません(笑)。
トラブル回避の予防線を言語化してみます。
敵か味方か? ズレが入り込む理由
税理士という仕事はサービス業です。
お客様からの依頼があってこそ成り立っています。
- 税理士はお客様の味方です!!
以上、と簡潔に言い切ってしまいたいところです。
残念ながら、そう言い切れない歯切れの悪い事情があります。
税金には税法という裏付けがあります。
また、これまでに類似した案件で裁判などで示された判断もあります。
制度の仕組みや過去の参照例といった「事実」を踏まえて、
お客様の希望である「意見」との距離を近づけていきます。
「事実」と「意見」のズレが強まると税務申告上、
トラブルの原因となります。
ズレの修正に努めている税理士が「敵」に見えかねません。
税理士が敵か味方かと不安を感じたときには、
ちょっとクールダウンがおすすめです。
敵か味方か? まだるっこしい理由
法人税や所得税、消費税の税務申告は複雑な処理対象ですが、
- お客様は原則一人
という点ではシンプルです。
対照的に、相続税では事情が異なります。
相続人が一人ではなく複数人が一般的です。
遺言があろうがなかろうが、相続人の利害や意見が一致
という場合ばかりとは限りません。
むしろ、利害や見解のズレがあることが前提ともいえます。
じゃあ、税理士は誰の味方なのか?、となります。
最も高い報酬を支払ってくれた相続人!
否です。
サービス業とはいえ、上記の発想では税理士がトラブル要因です。
私は以下の基本に立ち返るようにしています。
- 納税者の不利益を回避する
たとえば、相続税では相続開始から10か月以内が
申告期限となっています。
遺産分割が不調の場合でも申告期限が到来すれば、
申告・納税が必要です。
未分割での申告であれば小規模宅地等の特例や
配偶者の税額軽減でつまづきます。
遺産分割が難航して時間を要する場合であれば、
上記の税負担についてもお伝えすることになります。
同時に、未分割での申告・納税となった場合でも、
3年以内であればリカバリーが可能とお伝えします。
まだるっこしい印象かもしれません。
反面、依頼してくださる納税者の味方で誤解はありません。
敵か味方か? 誤解の無いミカタ
税務申告は期限が定められている上に納税の負担がある
という面で不安や負担を感じます。
税理士はそうした不安や負担を軽減する「味方」です。
一方で、置かれている状況やコミュニケーションのギャップから
税理士は敵か味方か?といった誤解もありえます。
敵か味方か?といった不安を感じたときには、
追加の質問や説明を求めることをおすすめします。
誤解の無い「見方」の糸口になります。
蛇足
アイキャッチ画像は金沢港に寄港したクルーズ船です。
2023年(令和5年)はコロナ禍以降停滞していた寄港が
復活してきました。
クルーズ船は船体の大きさで受ける印象が変わります。
一方、「ファンネルマーク」は船体の大きさとは別に
各社の特徴が確かめられます。
今週のスタエフ
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