遺産分割協議書のご利益と効率化とは?
相続税申告から不動産登記へ

自分で作成してもご利益が得られます。

狐につままれる印象ですが、疑うよりもご一読がおすすめ(笑)。

お盆明け早々の刈り取り

分割協議書 申告書だけでは足りない!?

税務申告に必要な書類といえば、

  • 申告書

という連想はできます。

所得税の確定申告で還付の場合であり、電子申告の場合であれば、
申告書データの作成で足ります。

一方、事業所得であれば決算書データの作成も必要であり、
何より帳簿の作成や根拠資料の保管が欠かせません。

うっかり申告書の作成だけを目標に申告手続きを想定していると、
期限ギリギリに呆然となります。

申告税では、相続税でも注意が必要です。

申告書の作成と提出だけに焦点を当てていると、アテが外れます。

比較的知られている相続税の負担軽減では、

  • 配偶者の税負担の軽減
  • 小規模宅地の特例

といった措置があります。

メジャーな税負担軽減措置ですが、

  • 遺産分割協議書の作成と提出

を税務申告とセットで行う必要があります。

言い換えると、遺産分割協議書無しでの税務申告では、
想定外の税負担と直面することになります。
 (相続税の申告期限に間に合わない!)

分割協議書 不動産登記での利用

遺産分割協議書の作成は相続人自ら作成することも可能です。

ウェブでひな形を参考にして作成することも可能です。

士業では、弁護士・司法書士・行政書士・税理士が作成します。

税理士が遺産分割協議書を作成する場合は、

  • 相続税の申告が必要
  • 遺産分割協議が相続人間で成立

といった前提があります。

上記の前提がある場合、

  • 不動産の登記も想定して分割協議書を作成する

と効率的です。

税務申告は税理士、不動産の登記は司法書士が担当します。

申告書作成時に成立した分割協議書を登記でも活用できます。

活用上の留意点は以下の通りです。

  • 土地の地目は「登記」地目を記載
  • デジタル(Word)データで作成

相続税の申告では現況の「課税」地目での扱いとなりますが、
分割後の登記では登記簿上の地目が求められます。

また、税務申告時に作する分割協議書では不動産以外の
相続財産も記載します。

しかし、相続での登記に当たっては不動産以外のデータは不要です。

分割協議書をデータの利用と個人情報の保護の観点からとらえると、
編集の後工程を想定すると効率的です。

税理士と司法書士の連携が確保できていれば、相続人の負担が減ります。

分割協議書 効率性とは無縁じゃない!

公的な書類でもハンコの出番は少なくなりました。

遺産分割協議書では相続人の署名と「実印」の押印が必要です。
 (印鑑証明書の添付も必要です)

遺産分割協議書は相続税申告書よりもシンプルな印象ですが、
相続以降の財産上の影響の大きい書類です。

生涯で何度もみることもない書類ではありますが、
それでも効率性と無縁ではありません。

遺産分割の相続人間での協議は必ずしも円滑な展開
とは限りません。

また、相続手続きに慣れている相続人も想定できない現実があります。

分割協議書の利活用に関わる効率性も円滑な対応に役立ちます。

 

蛇足
2023年(令和5年)のお盆は台風7号で慌ただしくあけました。
私の住んでいる石川県では、お盆明け早々から稲刈りが
始まっています。

今週のスタエフ

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