現金と現金勘定 使い分けもあり
ちょっと抽象的ですけど、合理的な効率化のためです。
金種表
現金と現金勘定 「現金勘定」が不要なケースもある
事業活動していれば、「お金」は使います。
会計上、お金は現金勘定・預金勘定として現れます。
事業活動で銀行との付き合いがある預金ので、預金勘定は不可欠です。
また 、お客様との相対での取引の中心となるいわゆる現金商売では、完全にキャッシュレス決済に移行していない限り、現金の取り扱いが必要になります。
しかしその一方で、事業者間での取引が中心であったり、決済が銀行での取引が中心の場合は、事業活動では現金を使っていても、現金勘定を使う必要がない可能性もあります。
たとえば、個人事業主で建設業の一人親方であったりする場合は、資材や消耗品を現金で購入することはあっても、必ずしも現金勘定で処理している必要はありません。
(借方)仕入・消耗品 / (貸方)事業主借
税務調査に対応するための領収書やレシートを用意しておけば良いわけです。
取引形態によっては、「現金」そのものと会計帳簿上の「現金勘定」を分けて考えることも可能です。
現金と現金勘定 現金勘定を使う厄介さ
とある医療法人の経理部に所属していたとき、日々の経理処理で現金の締めを行なっていました。
医療法人だったので、利用者の方から受け取った入金伝票と支払いなどに回した出金伝票の合計額を算出して、実際にある現金と突合していました。
会計上の現金残高は伝票の集計で算出できます。
実際にある金額は、レジや手提げ金庫の中にある紙幣や硬貨を「金種表」を使って整理して合計額を確認します。
まとまった金額は銀行に預け入れていたのですが、それでも多額の現金を確認して管理する必要があり、確認には時間を要しました。
医療法人では、利用者の方の現金利用を完全にキャッシュレスに移行するのは難しい面がありました。
また、会計監査も必要とされていたため、正確な会計処理が求められていたわけです。
現金も現金勘定も管理する必要がある事業活動はありますが、管理の時間と労力のコストも無視できません。
現金と現金勘定 合理的な効率化が必要
事業活動であれば、営利非営利、個人法人、事業規模に関わりなく現金を使うことになります。
収入であれ経費があれ、現金のやりとりにはそれらを証明するための証拠が必要なことは言うまでもありません。
とはいえ、そうした現金のやりとりがあることと、会計上現金勘定用いることは同一ではありません。
事業活動の制約がない限りは、必ずしも現金勘定を使わずとも会計処理が行えるということは合理的な効率化として成立します 。
現金の支払いがあるからと現金勘定を帳簿でも使い、つじつま合わせの現金残高を用意するのでは本末転倒です。
税務調査や借入に対応する適正で合理的な会計処理をしつつ、効率化もおろそかにしたくないところです。
蛇足
経理部で現金の締めを行っていた同僚が「100円合わない・・・」と非常に困惑していたことがあります。
床や机の下などに硬貨が落ちてないか散々探したが見当たらず。
よくよく考えてみると、日中備品の買い出しに行き、おつり100円を手提げ金庫に戻してないことが判明。
備品の買い出し担当は、私・・・。
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