個人で車の売却したときの所得税と消費税とは?
譲渡所得と簡易課税・2割特例の取り扱い

車社会の地方では車に関連した税務会計処理は定番です。

一方で、定番だからカンタンな処理とは言えません。

状況や課題を分けて処理する必要があります。

個人で車売却 事業損益とは切り離す譲渡所得

固定資産の購入・減価償却・売却・除却といった処理は
簿記の学習の定番です。

ウンザリするほど問題を解く必要に迫られます。

とはいえ、それでも実務上の処理で詰まることがあります。

たとえば、個人事業主の車の売却。

車社会の地方では定番の処理ですが。初見では挫折します。

法人企業での車の売却であれば、下記の仕訳が想定できます。

他方、個人事業主であれば一部勘定科目が異なります。

個人は法人とは異なり「所得区分」があります。

事業で使っていた車であっても、売却時には「譲渡所得」の扱いとなります。

事業損益と区別する必要があるわけです。

「確定申告書等作成コーナー(作成コーナー)」でも売却分は
「譲渡所得」として扱います。

「作成コーナー」の「所得税」申告書の「譲渡所得」ではありますが、
消費税申告への注意喚起もなされています。

個人で車売却 消費税の簡易課税と2割特例

個人事業では消費税の「簡易課税」を選択していることがあります。

課税売上高と第1種から第6種の事業区分の「みなし仕入率」により
納税額を算出できます。

事務処理の負担軽減で「簡易」です。

一方で、車などの業務用固定資産の売却では処理が異なります。

事業者の事業区分に関わらず、固定資産の売却分は「第4種」の適用です。

消費税法基本通達13-2-9

「作成コーナー」で第2種を選択している簡易課税の事業者であっても、
業務用固定資産の扱いでは第4種となります。

2023年(令和5年)10月より消費税インボイス制度が始まりました。

免税事業者が取引の都合上課税事業者となった場合には、
2割特例」による納税負担となります。

事業区分に限らず簡易課税での第2種相当の適用とも言えますが、
業務用固定資産の売却では簡易課税と扱いが異なります

「2割特例」を選択している場合には簡易課税とは異なり、
業務用固定資産の売却でも同率での税負担となります。

2割特例も簡易課税も課税売上高と事業区分で税負担が決定されます。

一方で、業務用固定資産の売却が関連すると税負担額に違いが現れます。

個人で車売却 資料の保管と固定資産台帳の管理

事業で使っている車などの業務用固定資産の税務会計処理は、

  • 個人(所得税)と法人(法人税)
  • 消費税の本則課税(税抜)。税込の簡易課税・2割特例

と処理の場合分けが必要です。

車には取得時に「リサイクル預託金」も付随することもあり、
売却時に処理の対象にもなります。

事業者側での適切な税務会計の処理では取引資料の保管、
固定資産台帳などの帳簿の管理が不可欠です。

固定資産の取得や売却がなかった事業年度であっても、
決算・申告期には固定資産台帳の確認がおすすめです。

 

蛇足
譲渡所得は「総合課税」・「分離課税」、「短期」・「長期」、
特例適用、損益痛損と検討課題が多々あります。
車の売却は「総合課税」となります。

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