経理は根拠の収集と適正な処理がセットです!
ガラス張りと野ざらしの違いとは?

理想的な経営イメージを一言で表現できると見通しが良くなります。

ただし、イメージが強すぎるとことばが独り歩きします。

対義的な状態も知っておくことも参考になります。

勢いよく伸びている2番穂

脱・野ざらし 隠すところがない?

「公明正大」で隠すところがない経営状態を「ガラス張り」の経営
と表現することができます。

業種や業態、規模に関わらず経営状態への不信を抱かせない
という魅力を直感的に伝える表現です。

経営者は個性的と言われても、不信な印象を持たれたくはない
という点では共通しています。

そんなわけで「ガラス張り」経営は経営者に「ささる」ことばです。

反面、ことばが独り歩き・誤解されることがあります。

たとえば、経理処理。

「ウチはガラス張りッ!」と断言している状況とは裏腹に、
書類が漫然と放置されているだけということもあります(笑)。

あるいは、取引から送られてきた精算書や通帳をもって
透明性を達成しているという誤解もあります。

「ガラス張り」ではなく、「野ざらし」という実態です。

脱・野ざらし 資料やデータは素材!

経営には経理処理、帳簿の作成が不可欠です。

「ガラス張り」経営を達成するためには根拠となる資料が必要です。

  • 領収書
  • レシート
  • 請求書
  • 契約書
  • 通帳 etc

まず、資料やデータの収集が必要です。

経費の計上には領収書・レシートが不可欠!という認識は浸透しています。

誤解があるのは下記の想定です。

  • 根拠となる資料やデータの存在 → ガラス張り経営

誤解です。正しくは以下の図式です。

  • 根拠となる資料やデータの存在 → 適正な処理 → ガラス張り経営

書類の束やデータのストレージといった集積だけから
「ガラス張り」経営は実現しません

集めた資料やデータの素材から「施工」にあたる経理処理が必須です

脱・野ざらし ガラス張りに施工する!

経理処理では、入力や集計さえすれば完了!といった誤解もあります。

会計ソフトを使っていると、集計や転記が自動的に処理されるため、
うっかり入力を成果と誤解してしまいます。

処理の途中で一旦わからない点を保留・棚上げすることはあります。
 (経理処理で手を止めないコツとは?)

ただし、放置を続けていいわけではありません。

また、経理処理の形式面は明確でも実態としての問題は別
ということもあります。

たとえば、事業資金から経営者への「貸付」。

貸借対照表に「貸付金」と表示したからといって、
放置できるものではありません。

「ガラス張り」経営は直感的にイメージしやすい反面、
実際の達成には確かな「施工」が必要です。

適正な「施工」といえる経理処理を欠いてしまうと、
根拠資料があっても「野ざらし」状態となります。

建物の施工を担う専門の施工業者がいることと同じように、
経理では税理士のサポートがあります。

形式面からも実態面からも経理処理の検討がおすすめです

 

蛇足
アイキャッチ画像は散歩中に見かけた「2番穂」です。
「蘖(ひこばえ)」とも言われる「再生イネ」です。
2023年(令和5年)は秋になっても高温が続いているため
2番穂も稲らしい姿が目につきます。

今週のスタエフ

 

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