経理はどこまで自由があるのか?
経営者の期待する成果とは?
融通が利かない印象がある経理や会計分野ですが、
一歩踏み込むと印象が変わります。
どこに向かって、どれくらい踏み込むかの見極めがキモです。
経理の自由 融通が利かない!?
税理士をしていますと自己紹介すると、悪い印象はないものの、
- 融通が利かないんだろうな
という反応がじわっと感じられるときがあります(笑)。
私の見た目か、肩書きかはともかくの印象です。
仕方がないとは言うものの、一面的な印象のひとり歩きです。
- これは経費で落ちません!
- 年末調整の資料提出はお早めに!
- インボイス登録はもうお済みですか? etc
経理や会計を外野から「他人事」としてとらえると、
小うるささが目に付きます。
一方で、経理や会計の「ユーザー」や「ナカノヒト」となると、
印象は変えられます。
経理の自由 自由の余地と条件
経理処理の成果として代表的な決算書を眺めると、
ガチガチの画一性といった感があります。
たとえば、個人事業主の青色申告決算書。
事業者間の比較性を確保して、効率的な処理をする上で、
様式には画一性があります。
一方で、決算書「以前」の段階には自由もあります。
たとえば、売上高。
- 飲食業での店内飲食とテイクアウト
- 自動車整備での車検整備売上と修理整備売上
- 施工業での特定の取引先と一般顧客との取引 etc
合算してしまえば単一の売上高ですが、内容は異なります。
- 金額
- 利益率
- 売上高の推移
- 売上高の構成割合
経営者であれば無視できないはずのデータが混在しています。
取引先の管理という面では、売掛金や買掛金の分類も見逃せません。
サブスクリプションが増えやすい状況を考慮すると、
支払手数料勘定も分析の対象になります。
売上や経費の計上金額を操作することは厳禁ですが、
データとしての扱いには自由な余地があります。
ただし、会計ソフトを利用するという前提があります。
経理のデータは「集計」と「転記」が出来てこそ利用できます。
会計ソフトの設定や適切な運用が不可欠です。
経理の自由 欲しい成果は?
税務申告だけのための経理処理であれば選択の余地は
魅力がないかもしれません。
一方で、経営の状況を知りたい・分析したい場合には、
裁量の働く範囲で柔軟な経理処理がおすすめです。
税理士として一般論からの経理処理の提案は可能です。
ただし、必ずしも経営者にとってしっくりくる成果とは
断言できません。
経理処理の選択の余地や自由度を活かすためには、
経理を通じて期待する成果を整理していく必要があります。
税理士はそうした選択や検討をサポートする役割も可能です。
蛇足
羊羹はメジャーな和菓子ですが、好き嫌いが分かれます。
蒸し・練・水羊羹と食感はそれぞれ違いますが、
私はどれも偏見なくいただいています(笑)。
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