書類だけで税務申告はできるか?
予断と想定をヒアリングで修正する!

書類やデータのやりとりだけで税務申告が完結すると
スカッとする印象かもしれません。

ただし、スカッと大事なことを見落としていることも
あるかもしれません。

美味しさを予感させる「曳山サブレ」(山上福寿堂 石川県小松市)

ヒアリングで修正 新規の業務の予断と想定

税理士の業務は多岐にわたってはいるものの、

  • 帳簿の作成
  • 申告書類の作成
  • 税務相談

といった具合にある程度類型化できます。

帳簿の作成では、

  • 事業内容
  • 事業規模
  • 経営状況
  • これまでの経理処理

といった確認をとりつつ、業務を進めることになります。

経営者は事業に最も詳しい方ではあるものの、
プレゼンや伝達に熟達しているとは限りません。

帳簿や決算書・申告書、ソフトの利用状況といった
資料やデータを確認して業務にあたることになります。

良くも悪くも予断と想定無しでは仕事は始まらない
ともいえます。

一方で、私はそうした情報やデータだけでなく、
ヒアリングを織り込んで仕事を進めています。

ヒアリングで修正 余談が将来の伏線!?

ヒアリングをします!と改まって伝えられると、
落ち着かなくなるかもしれません。

現実には、予断と想定込みの余談にみえる光景です。

ノンビリしたやりとりにみえるかもしれません(笑)。

とはいえ、ヒアリングする側(私)にとっては、

  • ヒアリング=予断と想定の即時修正

と緊張していたりします。

傍目には、呑気にコーヒーを飲んでいたりしますが(笑)。

たとえば、新規のお客様で売上高が5,000万円台の事業者。

確認したい事項は下記の内容があったりします。

  • 売上高の過年度からの変動額や状況
  • 売上高の構成内容と割合
  • 売上高の記帳状況
  • 過去の消費税トラブル

上記をヒアリングで確認していく背景には、

  • 消費税の本則課税と簡易課税の対応

といったトラブル要因があるためです。

予断と想定は「危険フラグ」とも言えます。

ヒアリングでの反応次第で業務上の対応にメリハリをつける
ということにもなります。

ヒアリングで修正 完結と継続は矛盾しない!

事業者向けの税理士顧問業務は基本的には1年間で区切りがつきます。

帳簿でとらえると期首から期末までの経理処理に
税務申告が加わって完結するイメージです。

1年という区切りがあるので、わかりやすい印象です。

一方、消費税の本則課税と簡易課税といった税額の計算は
2期前の売上高の影響を受けます。

また、両者の選択はいつでも対応できるわけではなく、
判断や対応の誤りが過大な負担につながることもあります。

経営者であっても、税制度の落とし穴にまで行き届かない
といったことは珍しくありません。

事業の税務会計業務は1年間で完結するという事実と
経営が継続することは矛盾しません。

むしろ将来の問題となる伏線が情報やデータに潜んでいるからこそ、
ヒアリングで明らかにしていくことになります。

予断と想定をもっている税理士がヒアリングを行うことで、
取り組む業務の道筋が修正できます。

 

蛇足
石川県小松市は「お旅まつり(5月)」での子供歌舞伎が続いています。
曳山ひきやま」は子供歌舞伎の山車だしとして毎年注目されます。

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