確定申告書の様式変更は知っておくべきか? 令和4年分所得税でも変更あり!

ぼちぼち話題が冬に向かっています。
余裕のある時期に眺めてみるのがおすすめです。


変わらないおいしさ「歌占うたうら」(「和乃菓 ひろの」石川県白山市)

R4様式変更 去年の様式は使えない!?

「賞味期限」と「消費期限」の違いは食品の取り扱いでは気になります。

その一方で、無頓着になるのは消耗品。

ペンやノートなどの文具での使用期限を気にすることはありません。

また、切手や印紙などでも確認するのは金額くらいと、
期限切れの心配をすることはありません。

では、所得税の確定申告書は?

毎年同じようなものかな?、と想定してしまいます。

その一方で、税制改正が毎年あることがひっかかります。

とりあえずの回答は、

  • 令和4年分の所得税の確定申告書では様式変更あり!

ということです。

R4様式変更 あれこれ変更

まず、申告書の様式変更で目立つ点では、

  • 「申告書A」と「申告書B」が一本化
  • 修正申告書の「第5表」が廃止され、「第1表」と「第2表」に集約

といった変更があります。

変更があるとはいえ、

  • 「申告書B」は元来「申告書A」の上位互換
  • 修正申告書の利用割合・件数はマイナー

といった観点からは大きな混乱はないかもしれません。

第1表は一見すると、例年同様の構成です。

確認していくと、変更点がわかります。

たとえば、「収入」と「所得」の欄の構成。


「利子」の記載では、

  • 「収入」欄には記載場所が無くなり
  • 「所得」欄のみ記載する

といった変化がみられます。

また、これまで独立していた第5表が第1表に割り込んできます。

なお、これまでの第5表は以下の様式です。

第1表が随分な居候いそうろうを抱えることになった印象かもしれません(笑)。

上記以外にも第1表・第2表に変更点がみられます。

申告書の様式は、

  • 税制改正
  • 処理の効率化
  • A4サイズの制約

といった事情があるので変更が避けられないといえます。

R4様式変更 知っておくべき優先順位とは?

細かな様式変更変更をとりあげると、

  • 申告手続きが無事にできるか?

といった不安を覚えるかもしれません。

申告書の様式変更は無視できません。

反面、理解の優先順位は整理した方が良さそうです。

現状、申告書の作成を手書きで行うことはありません。

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」でウェブ上で作成します。

言い換えれば、申告書の様式変更による書き間違え
といったトラブルは回避できます。

では、申告書の様式や構成を知ることは無駄か?、というと
それは誤解です。

  • 収入と所得の違い
  • 経費と所得控除の違い
  • 決算と申告のつながり etc.

所得税の一連の処理や考え方を見える化するツールとして
申告書の様式は役立ちます。

  • 集めるべき資料
  • 整理しておくべきデータ
  • 税負担と節税対策 etc.

変化していない仕組みの理解を優先していくことで、
今後の対策の目途がつきやすくなります。

 

蛇足
アイキャッチ画像のお菓子は能の演目「歌占うたうら」に由来するようです。
「歌占」の舞台は石川県加賀地方、白山のふもとです。

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