令和4年の贈与は民法改正にご注意! 贈与の区分と1月1日・贈与の日・年齢

制度の改正は開始前後は注目されます。
問題は注目が薄れたときに発生します。


どこが、どう問題か?

令和4年贈与 18歳から成人!

令和4年(2022年)も各種の制度が変更されています。

民法では「成人年齢の引き下げ」が目立った改正です。

  • 令和4年4月1日から成人年齢が20歳から18歳へ

と引き下げられました。

成人年齢の引き下げと関連する税目では、贈与税があります。

贈与税では、「110万円の非課税」が注目されがちですが、
成人年齢引き下げによるトラブルも起こりえます。

令和4年贈与 贈与の区分と留意点

贈与といっても、金額だけが問題ではありません。

贈与税(含む相続税)と関連する

  • 贈与の区分
  • 1月1日
  • 贈与・締結の日
  • 年齢

に留意する必要があります。

上記の表の「区分」欄をみると、

  • 相続時精算課税制度
  • ○○の非課税
  • ○○の特例
  • 事業承継税制

といった文言がみられます。

ざっくり表現すると、上記の各種の制度は

  • 相続・贈与税の負担軽減

と関連しています。

特定の条件に当てはまる贈与の場合のみ、税負担が軽減されます。

言い換えると、同じ贈与額でも状況次第では税負担が異なります。

たとえば、下記のケース。

相続時精算課税制度とは、

  • 60歳以上の父母または祖父母から
  • 18歳以上の子または孫などに対し
  • 2500万円までを

贈与税が非課税で贈与できる制度です。

相続時精算課税は、一旦選択すると暦年課税に戻れない
といった点が選択上の問題として知られています。

上記の例では、「18歳以上」の確認が必要です。

条文を確認してみます。

誕生日や贈与の日ではなく、「1月1日」での年齢が判断基準です。

上記の例では、10月に19歳なのでセーフ!?と考えたいところですが、
民法改正以前の贈与では「20歳以上」で読み替える必要があります。

つまり、上記の例では相続時精算課税の適用対象外となります。

民法改正後の条文だけをみて早合点してしまうと、
残念な結果になってしまいます。

令和4年贈与 見える化でトラブル回避

相続・贈与では

  • 対象となる金額
  • 税負担額

といった問題を扱うことになります。

上記の内、税負担額については負担を軽減できる可能性があります。

とはいえ、そうした例外には条件がつきものです。

民法の改正による20歳から18歳への成人年齢の引き下げは、
相続・贈与税の負担軽減と関連する可能性があります。

令和4年の贈与では、

  • 贈与の区分
  • 1月1日
  • 贈与・締結の日
  • 年齢

といった対象を図示しておくと、誤解が防ぎやすくなります。

贈与税の申告は、

  • 財産をもらった人が
  • 翌年2月1日から3月15日に
  • 申告・納税を行う

といった仕組みです。

贈与と申告・納税に時間差が生じやすいともいえます。

贈与契約書とともに贈与の概要を図示しておくと、
誤解によるトラブルを防ぐことにつながります。

 

蛇足
記事で使用した図は下記を参考にしてください。

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