決算の後で決算書を並べましたか?

書類は並べると、語り始める(と思います)。

決算書を並べる  決算書と申告書は別物

確定申告が終了すると、事業をされている方には2つの成果品ができます。

決算書と申告書です。

事業の経営成績と財政状態がわかるものが決算書です。
前者が損益計算書、後者が貸借対照表とセットになっています。
白色申告や青色申告の簡易簿記では貸借対照表はありません。
 (貸借対照表は複式簿記とセットとお考えください)

申告書は、決算書の結果を受けて、
・事業所得以外の収入(所得)
・各種の控除
を含めて所得税の計算を処理した結果となります。

フリーランス・個人事業主の方にとっては、事業と生活は強く結びついています。
決算書と申告書を一体化してとらえるのも無理はありません。

とはいえ、事業の結果としての決算書と個人の税金の申告書は別物です。

決算書を並べる 分析は並べるからできる

申告書の確認については以前紹介いたしました。
(確定申告の前と後 違和感と納得はセットです)

事業をされていない方にとっては、申告書の確認のみとなります。

事業をされている方には、申告書にとどまらず決算書の確認が必要です。

申告書の確認でもお伝えしましたが、確認には前年以前の比較対象が有効です。

単年分だけのデータをみると、特異なデータに集中しがちです。
たとえば、2020年(令和2年)では、コロナ禍による売上の減少です。

特異な変動も重要なのですが、その他の変化も見逃せません。

コロナ禍の売上高減少とは別に、経費では売上原価や宣伝広告費を除けば大きな変化はないかもしれません。

しかし、そうした思い込みではなく、根拠のあるデータをもとに比較すべきです。

事業をされている方なら、少なくとも前年2019年(令和元年)、
可能であれば3年から5年の決算書を並べてみることをおすすめします。

コロナ禍以前に経営の課題になっていた対象は、人手不足と賃金の上昇でした。

コロナ禍で混乱しがちですが、比較してみることで実態が明らかになります。 

青色決算書のままでは、単年分しか表記できません。
エクセルなどを使って、過年度の決算書をもとにした推移表が必要になります。

決算書を並べる 新年の対策に向けて

決算書を並べるのは、前年以前との比較や分析だけにとどまりません。

新年、つまりは今年の事業に活かすためです。

とりわけ2021年(令和3年)は、前年からのコロナ禍の影響もあり、
事業が低調の可能性もあります。

経営成績、損益だけを分析していても十分ではありません。

借入の必要もあるかもしれません。
コロナ禍以前の借入状況や経営状態を分析して、
対策を打つことになります。

フリーランス・個人事業主だと貸借対照表は置き去りにされがちですが、
事業のお金の管理全体を見通すなら、貸借対照表を含めた比較も有効です。

決算・申告が終わったら、決算書を並べてみることが、
新年、今年のための次の一手になります。 

 

蛇足
推移には折れ線グラフ、構成割合には円グラフ。
分析には見える化もセットです。

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