帳簿をどこまで作成しているか?
主要簿と補助簿をご存知ですか?
会計に不慣れな方でも「帳簿(ちょうぼ)」ならピンとくる
という印象があるかもしれません。
あるいは帳簿を作成している(はず)という方もおられるはず。
では、帳簿って何?と突っ込まれると答えに詰まるかもしれません。
サラッとでも確認してみると、協働や役割分担の発想が
わかりやすくなります。

収穫直前の大麦
帳簿って何? 手書き15桁は眠気ざまし!?
税理士として小中学校の「租税教室」に登壇することがあります。
眠気を誘わないよう、抽象的な話に偏らないようにしています。
とはいえ、ちょっとしたことが抽象的だったりします。
たとえば、政府の年間支出額。
令和7年度一般会計当初予算での支出額は「116兆円」です。
サラッと読み流してしまっていると眠くなります。
あえて「兆」を使わずに手書き(入力)してみると、
- 116,000,000,000,000円
と15桁の金額であることに驚かされます。
児童・生徒だけでなく、大人の眠気ざましにも使えます(笑)。
手書きは良くも悪くも身体への負荷を実感できます。
帳簿って何? 主要簿と補助簿
事業の業種や規模に関わりなく「帳簿」の作成は必須です。
会計に詳しくない方でも「帳簿」の見当はつきそうです。
あるいは手書きやExcelで帳簿を作成している方もおられるかも。
帳簿は取引の日付や金額、勘定科目、取引先、取引内容で作成されます。
他方、では帳簿ってどんな種類がありますか?と問われると
立往生しそうです。
「帳簿」には「主要簿」と「補助簿」があります。
- 主要簿(しゅようぼ)
- 仕訳帳‐すべての取引を日付順に記録する帳簿
- 総勘定元帳‐仕訳帳の内容を、勘定科目ごとにまとめた帳簿
- 補助簿(ほじょぼ)
- 現金出納帳‐現金の出入りを記録
- 預金出納帳‐銀行口座のお金の動きを記録
- 売掛帳・買掛帳‐売掛金・買掛金の管理
- 経費帳‐交通費や消耗品などの経費の記録
- 固定資産台帳‐備品や設備などの資産を管理
気が重くなったかもしれません(笑)。
帳簿って何? どこまで作成するか?
会計ソフトを使っていると、上記のような帳簿を作成している
といった印象が薄いかもしれません。
会計ソフトの預金出納帳でデータを一度入力すれば、
他の帳簿に転記されます。
手書きやExcelへの入力が帳簿の作成ととらえている
といった方も少なくありません。
複式簿記で処理している場合、最終的には会計ソフトに
入力やデータをインポートすることになります。
会計ソフト、複式簿記での帳簿のチェックは税理士
と協働や役割分担につなげて帳簿を作成します。
帳簿の作成は必須の処理ですが、完全に自己完結で作成と
完全に丸投げだけが選択肢ではありません。
経営者と税理士との協働や役割分担による帳簿の作成は
効率性や時短、経営の管理の観点から選択肢です。
帳簿をどこまで作成するか?と問い直してみると、
帳簿を作成する目的や利用を見直すことにつながります。
蛇足
アイキャッチ画像は事務所近辺で撮影した大麦です。
収穫期なのでしっかり実った大麦が黄金に輝いていました。
2025年(令和7年)6月は大麦の隣の水田では田植えがされて、
備蓄米の販売が話題とちょっと皮肉な状況です。
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