複合仕訳での混乱をどう防ぐか?
計算式・貸借バランス・振替伝票を利用する!

会計データの「仕訳」は1対1で対応するのでカンタンです!
と当初は謳っておきます(笑)。

嘘ではないのですが、「例外」はすぐに現れます。

馬脚を現した後は、「ここからが本番!」で再スタートです(笑)。

見頃のハナショウブ

複合仕訳 裏切られた!?

「嘘も方便」ということわざがあります。

とりあえず先に進むための知恵です。

会計データは「仕訳」といった形式でシンプルに表現します、
といった説明は嘘ではありません。

とはいえ、「必ず」シンプルとは言えない取引もあります。

たとえば、給料支払の仕訳。

受け取る側にとっては入金額と給料明細の確認ですが、
支払う側にとっては費用計上の処理対象です。

給料の仕訳と一口にいっても、中身はごちゃごちゃしています。

  • 給料
  • 交通費
  • 源泉所得税
  • 住民税
  • 社会保険料 etc

シンプルなはずの仕訳はどこに行った?、と裏切られた印象があります。

複合仕訳 取引の計算式化、貸借バランス

給料の仕訳に限らず、一つの取引だけど複数の勘定科目で構成される
複合仕訳」は実務上みかけます。

  • 売掛金回収時に手数料が控除されて入金
  • 現預金で一部支払、一部未払をともなう固定資産の取得
  • 自動車整備業での車検売上 etc

複数の勘定科目と金額を一挙に処理する必要があり混乱します。

パターンとして処理する「方便」もありますが、理解を優先がおすすめです。

たとえば、以下の給料支払の処理。

  • 給料50万円、源泉所得税2万円、社会保険料10万円、支払額38万円

計算式で表してみます、

  • 給料50万円=源泉所得税2万円+社会保険料10万円+支払額38万円

左辺と右辺が等号(=)でつながったので、貸借バランスがとれます。

給料は支払う側にとって「費用」なので「借方(左)」に置きます。

源泉所得税や社会保険料は支払う側が給料から一旦預かって納めるので、
「負債」として「貸方(右)」に置きます。

支払額はお金の流出、借方にある「資産」のマイナスなので「貸方」です。

何だかモタモタしている印象かもしれません。

パターンを暗記すればOKのようにも思えますが、かえって残念な結果もありえます。

たとえば、給料が未払いの状態であれば、新たなパターンを増やすよりも、
「負債」としての「未払金」で計上する理解をしておくと応用が利きます。

複合仕訳 込み入った処理と振替伝票

「伝票」というとペーパーレスと逆行するイメージがあります。

会計処理、会計ソフトでは複合仕訳を処理する入力手段として
振替伝票」が備わっています。

取引が2つの勘定科目で1対1で常に構成されるとは言えません。

込み入った会計処理といっても毎月計上するものもあります。

複合仕訳や振替伝票に慣れていくこともスキルアップにつながります。

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蛇足
アイキャッチ画像のハナショウブは畔に咲いていました。
水田にはオタマジャクシが泳いでいました。

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