消費税の本則課税にピンときますか?
計算の仕組みを見える化する!
サクッとでも目処がついていると曖昧な不安が解消します。
具体的な次の手を打つための見える化がおすすめです。
税金が常に納税負担とセットとは限りません。
本則課税見える化 同じ税金なのに違う計算
税金が嫌われる理由は納税の負担があるからだけでなく、
計算が複雑な点にもあります。
たとえば、事業所得。
所得税の計算をする以前に「所得」の算出のために、
- 収入-経費=利益≒所得
といった会計上の処理が必要です。
さらに所得税の計算では「超過累進税率」を前提に
- (所得-所得控除)✕税率=所得税
といった過程があります。
とはいえ、業種や事業規模にかかわらず事業所得であれば、
上記の計算過程にまとまります。
他方、消費税はガラッと計算過程が異なります。
売上高が5,000万円以下の事業者であれば、
- 「本則(原則・一般)」課税
- 「簡易」課税
と2つの方式が選択できます。
(「2割特例」は簡易課税の下位互換方式なので割愛)
「簡易」課税は売上高と業種を基準に納税額を算出します。
直感的にわかりやすい方式です。
一方で、「本則」課税での計算の仕組みはわかりにくい印象があります。
本則課税見える化 損益計算よりも広く!
消費税の納税額は基本的には以下の式となります。
- 納税額=(受け取った消費税)-(支払った消費税)
シンプルな式です。
うっかりすると「所得」の算出の式やお金の入出金と誤解しそうになります。
- 収入-経費=利益
- 入金-出金
消費税の計算では消費税の「課税」対象であるかどうかが、
計算上見逃せない仕組みです。
以下は本則課税概算のイメージ図です。
事業の損益に絞ってみると、以下の図です。
消費税の対象外となる経費を除いて計算します。
以下は対象外となる経費の例です。
- 人件費(給与・役員報酬・法定福利費等)
- 租税公課
- 減価償却費
- 支払利息
- 保険料 etc
消費税の計算では単純な損益計算よりも取引の対象は広くとられています。
たとえば、資産の売却や購入。
固定資産の購入は、
- 所得税の計算では減価償却費で耐用年数を通じて経費
- 消費税の計算では購入した年の「支払った消費税(課税仕入れ)」
といった違いがあります。
先にとりあげた事業損益の図を拡張することになります。
「受け取った消費税(課税売上)」と「支払った消費税(課税仕入れ)」
全体を含めた計算が必要となります。
本則課税では、
- 「受け取った消費税」>「支払った消費税」 → 「納税」
- 「受け取った消費税」<「支払った消費税」 → 「還付」
という点で所得税や売上高で納税額が決まる簡易課税とは異なります。
本則課税見える化 根拠は同時に処理する!
消費税の本則課税では、
- 損益計算のように直感的ではなく、
- 消費税の対象と対象外取引の区別が必要であり、
- 納税にも還付にもなりうる
といった特徴があります。
とはいえ、本則課税も事業者の取引が計算の根拠です。
会計ソフトを適切に使用すれば、取引の記録は「仕訳」により
課税対象と対象外も同時に反映できます。
消費税の本則課税はわかりにくい面や煩雑な処理があります。
仕組みの見える化からアプローチしてみることがおすすめです。
消費税は投資等の結果による「還付」もあります。
事業規模だけで本則課税を無視しないことも大切です。
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