スマホで確定申告はおすすめの選択肢か?
確定申告に何を期待していますか?

スマホと確定申告という切り口に違和感はありません。

むしろ、DXは着実に進展している象徴です。

問題は期待や優先度にあります。


キャラクター付きのチャットボット「ふたば」

スマホで申告 新たな定番の問題?

確定申告期に申告会場で申告のサポートをしていると、
普段とは異なる質問を受けます。

その一つとして、

  • スマホでも確定申告できますか?

という照会があります。

30代・40代の方からの問い合わせが増えています。

この問いへの回答は、

  • できますよ、一応…

とちょっと歯切れの悪いものです。

私の歯切れの悪さはさておき、公式の回答を確認します。

国税庁のチャットボット「ふたば」が回答してくれます。

「確定申告書等作成コーナー」は毎年更新されています。

令和4年分からはスマホで決算書の作成も可能になりました。

下記のQRコードをスマホのGoogle レンズなどで読み取れば、
「作成コーナー」にアクセスできます。

スマホで申告 有力な選択肢ではある

スマホで「作成コーナー」にアクセスすると、下記の画面が表示されます。

「作成開始」をタップすると、下記の「確認」が示されます。

「作成コーナー」の画面表示は「パソコン画面」での設定
という制約があることがわかります。

実際の表示は下記の通りです。

画面を拡大して操作する対応が現実的です。

とはいえ、「作成コーナー」での申告処理はスマホでも可能です。

スマホとマイナンバーカードが手元にある方であれば、
スマホでの確定申告は有力な選択肢かもしれません。

その一方で、私はスマホでの確定申告は、

  • 最優先の選択肢ではない

という見方をとっています。

理由は、スマホでの確定申告では私の期待に応えてくれないからです。

スマホで申告 何を期待するか?

確定申告で何を期待するかという問いには、

  • 税負担額の最小化
  • 還付金額の最大化
  • 期限内申告
  • 効率的な処理
  • 費用の最小化
  • 処理のノーミス etc.

といった応えがありそうです。

どれもスマホでの確定申告で達成できそうです。

上記とは別に、確定申告一連の手続きを通じて何を期待するか?
という問いもありえます。

  • 前年以前との比較
  • 当年データの算出過程の保存
  • 翌年以降の処理の参照の記録

上記のような期待を効率的に達成しようとする場合、
スマホだけでの処理はかえって非効率です。

むしろ、パソコンを使っての確定申告を優先すべき
ということができます。

スマホでの確定申告は有力な選択肢です。

ただし、誰にとっても最優先の選択肢ではない!
という限界があります。

確定申告の一連の処理で期待する内容や対象を整理すると、
今年だけでなく翌年以降の見通しも良くなります。

 

蛇足
2023年(令和5年)2月時点でのチャットボット界の雄といえば、
「ChatGPT」です。
「ふたば」と同じ質問をしてみました。

「税理士法人あさひ会計」の「あさひe-Tax」?、
といまいち感があります。
「Perplexity」は以下の回答でした。

回答のいまいち感は「ChatGPT」とどっこいどっこいです。
ただし、提示していたリンク先は妥当でした。

チャットボットも確定申告の必須のツールになるかもしれません。

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