休眠は経営戦略か、無作為の放置か?
みなし解散で会社がたたまれる!?
「個人」と「法人」には違いがあります、と言われても
なんだか抽象的です。
とはいえ、経営者が関与しないところで解散されるとなると
話は別です。
「休眠」を選択肢とするか、無作為の残念な放置状態とするか
大きな違いが出ます。

違いのある「バトンドロール」
会社の休眠 戦略的な選択肢
個人事業であれ、法人経営であれ、経営には変動があります。
2020年(令和2年)からのコロナ禍や2024年の能登半島地震などの
経営内部ではなく、外部からの影響を受けることもあります。
事業を融資で継続させることも縮小させることも、
あるいは「休眠」させることも選択肢です。
個人事業と法人経営では「休眠」での手続きに違いがあります。
法人経営では、赤字であっても「均等割」といった税金が発生します。
経営戦略として休眠するのであれば、
- 税務署
- 都道府県税事務所
- 市区町村役場
といった役所に「異動届出書」の提出が必要です。
(労基署や年金事務所でも届出を行います)
また、所得が発生していない場合でも税務申告は必要です。
休眠は法人が存続している状態なので、清算や廃業とは異なります。
法人は「登記」によって成り立っている仕組みなので、
休眠状態でも無作為の放置はできません。
会社の休眠 解散させられる?
個人事業であれば「生涯現役」は文字通りの意味となりますが、
法人では「登記」を怠ると「みなし解散の登記」対象となります。
法人や取締役は商業登記の対象です。
商業登記制度の信頼性を確保するため、事業を廃止していたり、
実態がない状態であればみなし解散の登記をする仕組みがあります。
休眠状態でも取締役の任期(10年)ごとの登記は必要です。
株式会社については最後の登記から12年が経過すると、
- 法務大臣による官報公告が行われ、
- 必要な登記、または「まだ事業を廃止していない」旨の届出
- 登記も届出もない場合は解散したものとみなす
といった措置が用意されています。
みなし解散は法人の強制終了となる措置です。
当事者への確認の通知が管轄の登記所(法務局)より送られます。
下記は通知書の例です。
2024年(令和6年)は以下のスケジュールとなっています。
- 法務大臣の公告 10月10日(木)
- 届出や登記の期限 12月10日(火)
- 届出や登記がない場合 12月11日(水)付けで解散とみなす
会社の休眠 選択や判断も管理する!
経営には変動があり、休眠といった選択も経営判断の一つです。
休眠ではあっても存続が前提である以上は管理が必要です。
事業の再開の選択肢が残っているのであれば、登記だけでなく、
存続・再開の管理が必要です。
休眠が必ずしも最優先の選択肢ではないこともあります。
経営の状況を正確に把握したうえでの選択であるかどうかも
確認することがおすすめです。
適切な会計や税金の処理が判断材料として欠かせません。
事業再開後にも不可欠な処理や判断材料となります。
蛇足
アイキャッチ画像は「バトンドロール(グリコ)」です。
一本一本の高級感を味わっていただこうとしましたが、
ポッキーやプリッツと同じテンポで食べてしまいました(笑)。
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