提出した申告書をオンラインでお取り寄せ! 「申告書等情報取得サービス」とは?
行政サービスの選択肢が増えました。
素直に喜ぶべきでしょうが、ちょっとひっかかります。
申告書お取り寄せ 機密情報だが!?
情報管理・機密保持といった考え方や仕組みは、
どんな組織でも重要なはずです。
税理士として税務会計サービスを提供しているので、
情報の流出や漏洩の疑いが出ないよう努めています。
そりゃあそうだろう!?、と言われそうです。
とはいえ、現実には情報の管理も様々で、
確定申告での応対では、
私「前年以前の決算書・申告書を拝見できますか?」
お客様「どっかにあるはず(笑)」
だったりします(笑)。
決算書の申告書も1年ごとを対象にしていますが、
過年度分は比較や参照データとして必要です。
申告書お取り寄せ オンラインで申請
電子申告(e-Tax)で確定申告をしている場合には、
決算書や申告書の紛失は多くない印象です。
e-Taxでの申告書提出がデジタルデータを使って、
オンライン上で処理が完了しているため、
データ保存と相性も良いためです。
一方、紙で決算書や申告書を提出している場合、
ファイルの整理と保管が後工程として別途必要です。
つい先送りしてしまうと、「どっかにあるはず」と
迷子になります(笑)。
「申告書等情報取得サービス」は行方不明になった
決算書や申告書を取り寄せることができるサービスです。
取り寄せられる対象は現状以下の通りです。
オンラインでの取り寄せですが、時間の制約があります。
利用者は本人(申告者)に限定されています。
「申告書等情報取得サービス」の利用ではマイナンバーカードが必須です。
取り寄せの手続きでは、電子署名の付与が求められます。
(マイナンバーカードの署名用暗証番号が必要です)
決算書や申告書を提出している方でマイナンバーカードを持っていれば、
「申告書等情報取得サービス」の手続きは複雑ではありません。
申告書お取り寄せ ツッコミどころ
「申告書等情報取得サービス」といった選択肢が増えたことは
情報やデータの利活用ではプラスです。
とはいえ、ツッコミどころはあります。
- 紙で申告書を提出している方が、
- e-Taxとマイナンバーカードを利用して、
- 数日間かけて
- オンラインでPDFファイルを取得
なんだか嚙み合わせの悪い印象です。
「申告書等情報取得サービス」は納税者サービスというより
e-Tax推進のための施策といえそうです。
「申告書等情報取得サービス」が今後充実していく可能性もあります。
反面、皮肉なことにサービスを利用する可能性を狭めることになる
- 電子申告(e-Tax)
- ペーパーレス化
- マイナンバーカードによる認証
といった利用の重要性が高まると読みとれます。
確定申告なんてまだまだ先、といえる時期だからこそ、
慌てずに準備を進めることがおすすめです。
蛇足
健康保険証が原則廃止されるようです。
マイナンバーカードに統合される方向です。
追記
2022年5月24日 上記サービスで申告書取り寄せを申請
2022年5月27日 e-Taxでの申告書ダウンロード可能
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