税源浸食のツケは誰にくるのか?

不人気なテーマですが(笑)、実は身近なお話です。


ここでも浸食

税源浸食 大きなテーマは関係無いか?

このブログでは税務会計に関するネタをよくとりあげています。

アクセスが伸びるのは比較的身近な内容を紹介したときです。

税務会計という専門的な内容を紹介するとはいえ、
抽象的なテーマは不人気です(笑)。

今回とりあげる「税源浸食」は間違いなく不人気なはずです(笑)。

抽象的で政治上の縁が無いテーマと思われる税源浸食なのですが、
ざっくり理解しておくと税金だけではない問題の見通しが良くなります。

税源の浸食は、甘いカステラをアリがボロボロにするイメージです。

カステラが税源、つまり個人や法人の利益(所得)です。

アリに当たるのは、以下の通りです。
・国内では各種の税負担軽減の政策
・国外では各国政府間の低税率競争

税源浸食 ツケは身近に迫ってくる

税金というと政府が法律で一方的にお金を徴収する印象があります。

必ずしも間違いではないのですが(笑)、実態はちょっとこみいってます。

たとえば、個人所得税。

所得を分類している一方で、税負担を考慮した仕組みも求められています。

累進所得税率もあれば、各種の所得控除などもあります。
所得控除では単年だけに関連しない小規模企業共済等掛金控除や
家族が関わる医療費控除社会保険料控除があります。

控除が増えれば徴収できる税金は減るわけですが、社会保障も必要です。

また、法人税。

国際的に活動している企業では、税率の低い国や地域に利益を移します。

国内だけでの徴収を考えると、税務調査も差し押さえも可能ですが、
肝心の企業が国外に移ってしまっては手の打ちようがありません。

政府による政策を実行しようとすれば財源が必要です。

国債という手もありますが、まずは税金です。

上記のように所得に関連した税金では何らかの税源浸食の可能性があります。

こうしてみると、所得税・法人税以外の財源が注目されます。

税源浸食 将来をシミュレーションできる

まず思い浮かぶ税金は、消費税と相続税です。

消費税は、国内の消費活動を対象にした税金です。
事業活動の影響や外国の政府の動向と関係のない税金です。

政府が今後も重視する財源です。

消費税では税率が上がる可能性だけではなく、
課税事業者が増える可能性も高くなります。
(2023年からのインボイス制度も影響しそうです)

相続税でも今後、負担の可能性が高まる可能性があります。
相続税だけの改正だけではなく、相続税と関連する贈与税も
合わせてシミュレーションの対象になります。

財源を税金だけにとらわれずみれば社会保険料もあります。
年金・医療・介護それぞれの負担がかかってきます。

税源浸食といった大きなテーマや抽象的な課題はスルーされがちです。

とはいえ、税源浸食のツケは政府ではなく納税者が負担します。

大きなテーマを把握しておくと、身近なシミュレーションの見通しに
プラスになります。

 

蛇足
冒頭の写真の植物は稲とハスです。
昨年までハスの花を栽培していた場所だったので、
ハスの種が残っていたんでしょうね。

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