集計と管理の違い なんでもかんでも1円単位じゃない
誰が、何をめざしているかの違いです。
集計と管理 経理が細かい理由
税理士・銀行員・経理担当者の共通イメージは何か?、という問いは応えやすそうです。
「細かい!」でしょう。
そうした応答のときには、ほめるというより、足を引っ張る煩(わずら)わしさや嫌いな虫を見たかのような表情かもしれません(笑)。
残念なことに、そうした応えは概ね当たっています。
私は現在税理士ですし、事業組織で経理担当者だったこともあります。
自己弁護も兼て同業者やかつての同僚達への擁護をしてみます。
なぜ、税理士や銀行員や経理担当者はお金を1円単位で細かくとらえるのか?
この理由に応えるには、意外に大きな視野が必要です。
それは、「所有と経営の分離」や「プリンシパル-エージェント」といった論点とも関わります。
といっても、話が大きすぎます(笑)。
ざっくりとらえると、一般にお金に細かい仕事を担当している場合、そのお金の集計を担っている担当者がお金自体を自由に取り扱えません。
お金やお金に関する資料の集計を担当して、客観的に誰かに伝えることが重要な仕事ともいえます。
お金や資料を集計して、伝える点で1円単位の精度が欠かせなくなります。
集計と管理 管理は方向性
では、集計されたお金や資料は誰に伝えられ、どのように扱われるか?
銀行員や経理担当者は、組織人です。
情報は上司や経営者に伝えられます。
税理士は集計した情報をお客様・関与先に伝えます。
事業活動に関するお客様・関与先の場合、伝達先は経営者となります。
経営者にとって、集計されたお金や情報は経営の管理のための手段です。
見方を変えれば、お金や情報は経営者のめざしている経営にどれだけプラスとマイナスに作用するかが重要です。
1円単位の精度で行われた集計が無駄なのではありません。
経営者にとっては、正確に集計されたお金や情報を現在と将来でどのように活用するか・管理するかが重要なのです。
経営の管理は、経営の方向性の管理であって、1円単位でとらえる必然性はありません。
集計と管理 タイムリーが大切
お金や情報の集計は過去から現在が対象です。
これに対して、集計されたお金や情報の管理は現在から将来が対象となります。
どんどん流れていってしまう時間のなかで、経営状態も環境も変化していきます。
斬新な行動や発想、新規性は魅力的ですが、常に打てるものではありません。
(だから珍しいわけです)
お金の正確な集計は地味で煩わしい印象ですが、格別に難解なし処理ではありません。
しかし、タイムリーに経営状況がわかれば、今とるべき・とれる手段もはっきりしていきます。
集計と管理は、経営へのタイムリーな貢献という視点でつながります。
蛇足
私は「金に細かい」と言われると、ホッとします(笑)。
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