製造原価報告書はどことつながっているのか?
費用を分ける効果とは?
なんとなく見て見ぬふりをしてしまう対象があります。
トラブルが無ければいいと割り切ることもできますが、
仕組みがわかったいるとホッとしますね。
製造原価報告書 とりあえずスルーでOK?
確定申告がチラつくような時期になると決算書をみる機会が増えます。
前年との比較や今年の着地見込み、来年に向けての準備etc
と検討する課題が出てきます。
税務会計の専門知識が少ない経営者であっても損益計算書は
利益とむすびつくので関心が集中します。
貸借対照表は損益計算書ほどピンとこない性格があるので、
前年末(当期首)からのつながりを理解する必要があります。
ちょっと目が泳ぐ箇所(笑)が「製造原価の計算(製造原価報告書)」です。
青色計算書では貸借対照表の右隣にひっそり記載されます。
製造業に関連している内容なので、無関係ならばスルーできます。
とはいえ、どんなデータがどうつながっているのか?ともやもやします。
製造原価報告書 PLなのかBSなのか?
「製造原価の計算(Cosr Report,CR)」の記載項目を眺めてみると、
- 損益計算書(PL)
- 貸借対照表(BS)
といった決算書に関連する内容とわかります。
反面、結局どっちに関連しているのかわかりにくい印象があります。
正解は、
- 「製造原価の計算」は帳簿作成の過程でPLとBS両方に関連している
とさらにわかりにくいものだったりします(笑)。
製造原価報告書 下からみていく
「製造原画の計算」は下からみていくとつながりがわかります。
枠外に損益計算書へのつながりがあることが示されています。
というわけで、損益計算書の該当欄をみてみます。
「製造原価の計算」で算出された「製品製造原価」が「売上原価」を構成する
というつながりがわかります。
ちょっと図解で確認します。
次に気になるのは「製品製造原価」はどこから出てきたのか?という点です。
「製造原価の計算」の「総製造費」より今度は上に遡っていきます。
今度は「製造原価の計算」を上からみていきます。
- 原材料費
- 労務費
- その他の製造経費
申告対象の年に計上する費用を計上することがわかります。
「製造原価の計算」の一連のつながりは以下の通りです。
上記の図解では右上に貸借対照表があります。
唐突な印象かもしれませんが、
- 「材料」・「仕掛品」・「製品」は「棚卸資産」
という点で貸借対照表とつながることになります。
お疲れ様でした(笑)。
製造原価報告書 分けていますか?
「製造原価の計算」は製造業でのコスト管理を見える化する対象です。
損益計算に必要な経費の対象といっても、
- 仕入
- 人件費
- その他の経費(水道光熱費・減価償却費etc)
といった勘定でまとめてしまうと製造とその他の経営管理費用が混在します。
といっても、「製造原価の計算」の作成だけの処理があるわけではありません。
帳簿作成の過程で性格の異なる費用を分けることで実態を把握でき、
経営の分析へとつながります。
帳簿の作成過程で費用を分類していることが経理処理で必要です。
費用を分けて管理することが経営の分析につながります。
一見するとスルーできてホッとする対象に思える「製造原価の計算」ですが、
税務申告とは別の経営管理で有効なデータを提供してくれる内容です。
蛇足
「製造原価の計算」は貸借対照表と「棚卸資産」でつながります。
損益計算だけの白色申告は「収支内訳書(損益計算書)」だけなので、
「製造原価の計算」がありません。
「製造原価の計算」は貸借対照表ともつながることから、
複式簿記とのつながりもあるといえます。
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