これからの税務調査を予想してみる!
令和4事務年度所得税及び消費税等の状況を読解
予想しているヒマがあったら、真っ当な判断と処理がおすすめ!
と言いたい本音があります(笑)。
とはいえ、公表資料は貴重な情報源です。
さらっとでも読んでみると発見があります。
税務調査を予想 とっつきにくい役所からの情報源
とっつきにくい役所といえば、警察と税務署が代表かもしれません。
とはいえ、あからさまな犯罪行為を行っていなければ、
警察はむしろ味方のはずです。
やはり怖い役所は税務署と言えそうです(笑)。
そんな課税当局ですが、税務調査の資料を公表しています。
- 「令和4事務年度所得税及び消費税等の状況」
国税庁のサイトで公表されているので誰でも読めます。
令和4年7月から令和5年6月の税務調査による報告です。
調査対象は主に個人事業主です。
扱っている税目は所得税と消費税です。
調査の件数や金額、注目しているトピックを紹介しています。
素っ気ない資料ですが、今後の将来を予想に活用できる素材となります。
税務調査を予想 調査件数が激増している!?
国税庁の公表している資料だからといって難解というわけではありません。
たとえば、調査件数。
パッと見でさえ、調査件数が激増していることがわかります。
臨場による「実地調査」が対前年比で激増しています。
(不正計算の悪質性や金額により「特別・一般」>「着眼」の分類です)
消費税の状況でも同様の傾向がみられます。
コロナ感染が5類に移行したことで、実地調査が増えてきたといえます。
コロナ感染症の完全な収束が不明な状況が続く一方で、
社会活動や経済活動はコロナ禍以前に復帰しています。
税務調査でも同様の展開が予想されます。
「トピックス(主な取組)」は下記の項目が挙げられています。
- 富裕層
- 海外投資等を行っている個人
- インターネット取引を行っている個人
- 無申告者
- 消費税の還付申告者
- 所得税の不正管理申告書の課税処理
上記はいずれも近年注目されている対象です。
私がとくに注目したトピックスは「4,無申告者」です。
所得税の調査等の合計は63,7万件、消費税は9.3万件です。
調査全体では所得税の件数が消費税の件数を圧倒しています。
しかし、「無申告者」の件数では、
- 所得税 < 消費税
と逆転しています。
個人事業主の消費税の無申告は注視されているといった想定が妥当です。
税務調査を予想 令和5事務年度はノーカウントで!
2023年(令和5年)10月から消費税インボイス制度が始まりました。
インボイス対応により免税事業者から課税事業者となったケースが激増しました。
- インボイス対応=インボイス登録=消費税の課税事業者=消費税の申告・納税
といった展開が税務上の想定です。
インボイス対応と消費税の申告・納税がつながっていないと、
「令和5事務年度所得税及び消費税の状況」のカウント対象となります。
「令和5事務年度」でカウント対象とされるのは愉快ではありません。
これまで免税事業者だった場合には、申告手続きも納税準備も初めて
といった展開を迎えることになります。
早めの準備・相談・依頼がおすすめとなります。
蛇足
アイキャッチ画像は散歩中に見かけた青いカラーコーンです。
カラーコーンは色によって意味付けがされているそうです。
- 赤:危険区域、立入禁止
- 青:資材置場
- 緑:安全通路
- 黄:駐車場
カラーコーンは「規制」と「区分」を示すために使われます。
珍しい色だからと呑気に近づいてはいけませんね(笑)。
今週のスタエフ
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