幻の○○ 会計からみると
仕掛けを探ってみます。
夕焼け、春に向かって
幻の○○ 見逃せない
メディアの常套句「幻の○○」と表現されるとつい注目してしまいます。
レアや希少、今だけなどことばで躍らせる手法ですが、お得やコスパといった感覚が強いと見逃せません。
幻の○○というと、食ではブランド牛であったり、古美術では焼き物で見られる表現です。
幻の代わりに知る人ぞ知るという表現がされることもあります。
流通量が少なく、その筋の専門家からの評価が高いと思われている対象でもあります。
実態に関する情報が少ないので、信用性の高い評価は得にくいのですが、一方で悪評も聞かないケースも多々あります。
幻の○○ 会計からみると
幻の○○を流通量の希少性又は過去において断絶したということを前提にして会計から考えてみます。
(例えば地方のブランド牛や近代以前の焼き物などを想像してください)
製品やサービスの供給には、時間・技術・お金・営業ルートが必要です。
会計からみると、研究開発費・広告宣伝費・人件費の費用が不可欠です。
とくに供給するものが画期的であればあるほど研究開発費は多額になりますし、また金額も見通しにくい可能性もあります。
新たな営業ルートを作るため費用や人件費も多額かつ長期に必要です。
さらに、これらの費用は創業当初から必要でもあります。
一方、幻の○○の対象となるものの売上や入金までの期間は時間を要します。
研究開発の段階からみると数年間を要する可能性もあります。
幻の○○は大手メディアが放つ常套句ですが、会計からみると正体が明らかになります。
評価が高いとされつつ、その供給が乏しい又は断絶してしまう原因は事業継続のための資金不足ということです。
言い換えると、幻の○○は評価の高さを維持したり発展させる資金源を確保できないことで生じる歪みの結果とも言えます。
幻の○○ 幻からリアルへの会計
幻の○○は、評価が高くかつ需要があるものです。
しかし、流通量自体が乏しく、その原因は会計からみると資金不足にあると言えます。
一方ブランドとして確立されつつ、流通が安定しているものもあります。
資金だけではなく、技術力や人材に恵まれていた可能性もあります。
技術も人材も事業活動の継続には不可欠です。
しかし、技術や人材を活用できる事業の継続が前提となります。
幻の○○ではなく、○○として認知されるために資金調達や資金繰りが重要になります。
蛇足
地方のブランド牛は年間出荷頭数が数百頭ほどです。
その一方で飛騨牛や宮崎牛など年間出荷頭数1万頭以上のブランド牛も存在します。
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