ちゃんとやる 経理判断と経理処理

ことばの交通整理です。

ちゃんとやる とある経理担当者とのズレ

会計事務所に勤務していた際、とある顧問先に毎月訪問して帳簿等を確認していました。
大半の入力処理は経理担当の方が日々なされていたので、漏れや勘定科目・金額・消費課税区分の修正などを中心に確認していました。

決算以外はルーティンワークでしたので問題はなかったのですが、ときおり経理担当者と私との間でズレを感じることがありました。
(私自身がズレた奴というのは別問題で)

そのズレを感じる際によく経理担当者の方が使われたフレーズが、「ちゃんとやっている」でした。

私からミスを問い詰めたわけではなく、何か問題があったわけではないのですが、「ちゃんとやっている」というフレーズは経理担当者とのやりとりのなかでもやっとしたズレを生じさせました。

ちゃんとやる とある経理担当者になって

とある事業所に勤務していた際に経理部に所属していました。
日々支払や請求の事務についていたわけです。

取引業者からの請求書もあれば各部署からの伝票もあり、さらに取引先の担当者とも打ち合わせがあったりとデスクワークとはいえ意外に動き回っていました。
経理の守備範囲も購入・支払にとどまらず、お金の動きが関与するという切り口で人事・仕入・資金繰り等に関与する部署でした。

会計事務所勤務時代とは立場が変わり、自分が経理の担当者になってようやく会計事務所勤務時代に感じたズレの正体がわかりました。

私は経理部に所属していた際に伝票の入力を担当していませんでした。
(同僚が担当していたためです)
入力といった作業より、経理としての判断と行動に力点を置く仕事が中心でした。
具体的には、車のリース契約の計画・見積・検討などの支払取引以前の仕事が中心で、支払業務自体はごくわずかだったわけです。

ちゃんとやる 経理判断と経理処理の違いは大きい

私が会計事務所勤務時代に感じたズレは、経理判断と経理処理の違いを顧問先の経理担当者にうまく伝えられなかったことで生じていたと思います。

その顧問先の経理担当者にとっては、取引先からの請求書に支払処理をすることが経理という認識だったと思います。
支払に遅れず、会計ソフトへの入力を適切にしていることが「ちゃんとやっている」だったわけです。

一方、私にとってはその支払自体が必要か・金額は妥当かという経理担当者としての判断を気にかけていたわけです。
自分が経理担当者になることで、ようやくそうした表現にたどりつけたというわけです。

「ちゃんとやる」が経理での判断なのか局所的な処理なのかの違いはコミュニケーションでのズレのもとになります。

ことばの裏にある担当や職掌の認識を確認して仕事を進める方がトラブル回避になります。

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