農業所得や決算書は特別仕様か!?
処理と着地点をご確認!

「特別仕様」ということばをみると緊張が高まります。

その一方で、「特別仕様」ではないところをみると
冷静さを取り戻せます。

JAの推し軽トラ「営農サンバー」

特別仕様!? 同じなのに別扱い?

取り立てて関係はないけれど、目につくと無視できない
ということがあります。

たとえば、「農業所得」。

第1次産業である農業から所得を得ていることは
字面から了解できます。

その一方で、「○○所得」という表記に違和感があります。

所得税法では、所得は10種類に分類されています。

「農業所得」といった区分はありません。

確定申告書を確認してみると農業所得は、

  • 「事業所得」

に含まれています。

農業を事業活動の一つとしてとらえると納得できます。

特別仕様!? 見たことがない!?

確定申告の処理の過程は以下の通りです。

flowchart LR; id1([決算書作成])==算出所得===>id2([申告書作成]);

申告書から決算書にさかのぼってみます。

「確定申告書等作成コーナー」での決算書作成でも、

  • 「営業等所得」
  • 「農業所得」

と分けられています。

まず、収入金額の項目を確認します。

「田畑」や「果樹」と見慣れないカテゴリーがあります。

さらに踏み込んでみます。

決算書作成では以下が前提です。

  • 数字 → 金額
  • 単位 → 円

「作付面積」の「アール」や「本年収穫量」の「kg」といった単位は
仕様の違いを感じさせます。

経費は数字や単位での違和感はありませんが、
見慣れない勘定科目が並びます。

「農業所得」の決算書を目の当たりにすると、クラっとしそうです(笑)。

ただし、驚きは長く続きません。

特別仕様!? 凡庸な処理と着地点

「農業所得」の決算書の全体の構成を確認します。

上記を式にしてみると、違和感は払拭できるはずです。

切り詰めて表現すると、「農業所得」といっても、

  • 収入 - 経費

という構成面からみれば通常の事業所得と変わりません

収入の除外や架空経費の計上が認められている
といったこともありません。

申告書においても、適用される所得控除や税率は
やはり通常の事業所得と同じ扱いになります。

一歩引いた目線で農業所得をとらえると、

  • 凡庸で
  • 見慣れた

処理や着地点がみえてきます。

言い換えると、一歩引くだけの目線がもてるか?
といった判断や理解が必要になります。

見慣れない様式の前に一呼吸がおすすめです。

 

■関連

 

蛇足
アイキャッチ画像は実家近所で撮影した「営農サンバー」です。
富士重工業(現スバル)が製造した軽トラック「サンバー」は、

  • 営農サンバー(JAサンバー)
  • 赤帽サンバー

といった仕様で人気がありました。
ベースのサンバーも異形の軽トラックでした。

  • 駆動方式:RR(リアエンジン・後輪駆動)
  • エンジン:4気筒 
  • 4輪独立サスペンション

ICEアイス(Internal Combustion Engine、内燃機関)車時代の
古き良き思い出として残るかもしれません。

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