貸借対照表は経営者以外にも実益があります!?
経営者の交代はおいくら?

決算書は無機的で無味乾燥の印象が強いようです。

それでも「実益」が絡むと印象が変わるはずです。

天日干しのお米

B/Sの実益 経営者には実益!

貸借対照表たいしゃくたいしょうひょう(Balance Sheetバランスシート B/Sビーエス)」は損益計算書に比べると、グッと人気が落ちます(笑)。

  • 読み方が難しい
  • 何を意味しているのかわかりにくい
  • 経営成績でも税金の計算でも必要ない

作成に当たっては複式簿記での処理が前提という現実もあり、
できるだけ見たくない決算書かもしれません。

個人事業主であれば「青色申告特別控除65万円」のために仕方なく作成
というケースが目立ちます。

残念な誤解です。

経営者にとっては貸借対照表は実益のある決算書です。
 (経営者は記憶術が使えるのか?)

また、B/Sは経営者以外からの目線でも実益のある決算書といえます。

B/Sの実益 経営者の交代はおいくら?

経営が継続しているといっても、経営者が変更なしとは限りません。

「個人」でも「法人」でも経営者の交代はあります。

「個人」と「法人」のどちらにも共通する経営者の変更として、

  • 譲渡」による事業承継

といった選択肢があります。

無償の贈与ではないので、「譲渡価格」の算出が重要な課題となります。

根拠不確かなぼんやりした算出というわけにはいきません。

根拠が必要です。

価格の算出と関連していて期待できる根拠としては「決算書」となります。

  • 損益計算書
  • 貸借対照表

日本政策金融公庫のウェブサイトでも「譲渡価格算出ツール」が利用できます。
 (「政策公庫 譲渡価格」で検索)

「個人(左)」と「法人(右)」で入力内容に若干の違いはありますが、
いずれも損益計算書と貸借対照表が根拠となっています。

入力だけなら3分もかからずに済みます。

算出ツールによる譲渡価格はあくまで参考値です。

とはいえ、譲り渡す側にとっても譲り受ける側にとっても参考になるので
無視できない値です。

B/Sの実益 一時点の誤解

算出ツールはテキトーな金額を入力でも計算してくれます。

損益計算書は1年間の損益に関連したデータの集積です。

1年間の売上や経費のデータが反映されています。

資料の収集や記録・入力に手間どることが想像できます。

一方で、貸借対照表は決算日「一時点」の財務データです。

うっかりすると、都合の悪いデータは書き換えられそうです。

粉飾です(笑)。

適正な複式簿記での処理では根拠のないいびつな処理はボロがでます。

経営の将来には複数の選択肢が利用できます。

ただし、経営者目線からの判断だけでは選択肢は機能しません。

財務データは経営者の交代という局面でも重視される根拠となります。

「実益」を長期的にとらえてみると、貸借対照表の重要性がわかるはずです。

 

蛇足
アイキャッチ画像は天日干し中のお米です。
ゆっくり自然で乾燥させつつ、稲の養分をお米に移すことで
お米の味や風味が増すそうです。

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