辛くしないための会計処理の分析とは?
4つの層で分けてとらえてみる!
会計の事実は取引ごとに一つのはずです。
シンプルに理解できそうなはずですが、税理士と話すと
それはそれ、これはこれといったややこしい指摘が…
税理士を恨む前にとらえ方の工夫がおすすめです(笑)。

4つの層 眉間にシワが寄る!?
税理士業で事業経営のサポートをする場合には会計が起点です。
取引の内容や金額に関係なく、「複式簿記」の「仕訳(しわけ)」で
記録していきます。
とっつきにくいかもしれませんが、消耗品の購入であれば、
- (借方)消耗品 (貸方)現金 1,000円 Aデンキ 電池
とシンプルです。
上記の仕訳であれば、
- 資産である現金1,000円を支払って、
- 消耗品(電池)を購入して経費に計上した
と単純な視点に落ち着きます。
他方、取引によってはシンプルなようでわかりにくく、
眉間にシワが寄ることもあります。
4つの層 一つの取引を分けてみる
一つの取引だから一つの視点からだけの検討で済むとはいえません。
むしろ、会計・税金(法人税・所得税)・消費税・社会保険と
4つの層でとらえる必要があります。
たとえば、役員が出張、旅費日当を会社が支給した場合。
- 会計‐旅費交通費で計上、発生主義と現金主義が関連
- 税金‐法人の損金、所得税の非課税
- 消費税‐国内・国外で課税仕入を判断
- 社会保険‐保険料算定に関連
仕訳だけをみてカンタンと誤解してしまうと見逃すことがあるわけです。
- (借方)旅費交通費 (貸方)現金 10,000
4つの層 起点が大切!
ややこしい困難なことは分割して対応することが定石ですが、
税務会計では別のアプローチをとっています。
一つの取引から処理を一本化したデータを作成したうえで、
他の処理に利用するアプローチ「単一性の原則」です。
会計・税金(法人税所得税)・消費税・社会保険の処理を
会計を起点に効率よく進めることにつながります。
反面、わかりにくい面も出てきます。
- 会計処理‐発生主義、現金主義
- 税務判断‐経費になるか?
- 消費税判定
- 社会保険への影響
適切かつタイムリーな会計処理が必要とされるのは伊達ではありません。
合理的で効率よく処理できるはずの取引であっても、
先送りや妥当な判断を欠くと残念な結果となります。
4つの層で構成される仕組みは変わりません。
アプローチや行動、ツールを変更・選択・追加していくこと、
外部のサポートを活用することで対応することになります。
蛇足
アイキャッチ画像はソメイヨシノの葉です。
しっかり紅葉もしていますが、ボロボロになっていました。
冬も近づいていますが、サクラの開花という視点に立つと
折り返し地点を過ぎていますね。
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