貸借対照表が身近になってきましたか?
節税・インボイス・効率化!

玄人向けだったはずの会計処理がグッと身近になると、
判断の基準も変わってきます。

アタマの交通整理が必要です。

「石のタルト」(山上福寿堂 石川県小松市)

BSが身近 玄人仕様?

「玄人向き」や「プロ仕様」といった表示をみると、

  • 前のめりに引きつけられる方
  • サッと引いてしまう方

と分かれます。

私は何かにつけて後者です(笑)。

慣れてもいない操作や処理で複雑な対象は避けたくなります。

たとえば、「貸借対照表(Blalance Sheet,B/S)」。

ただでさえとっつきにくい経理処理をさらにこじらせる
といったネガティブなイメージがあるかもしれません。

私が税理士でなかったら、とりあえずスルーしそうです(笑)。

直感的なわかりにくさが否定できないこともあり、
個人事業では必須ではない決算書でもあります。

BSが身近 グッと身近になる!

貸借対照表は資産・負債・資本(純資産)で構成されるので、
損益計算とはちょっと距離感があります。

  • 多額の在庫や設備投資(固定資産)
  • 借入金の利用と返済(負債)
  • 雇用 etc.

といった事業規模の拡大とともに貸借対照表は重要性が増します。

一方、事業規模や投資・借入の状況次第では貸借対照表は、

  • 青色申告特別控除65万円のため

といった位置付けとなりがちです。

いわゆる青色申告の特典による節税での利用です。

ただし、実務上貸借対照表の作成には、

  • 会計ソフト
  • 複式簿記

といった運用上の制約があります。

会計ソフトだけを導入しても複式簿記の理解が不足していると、
意味不明な数字が出力される混乱の原因となります。

また、複式簿記がわかっていてもソフトの利用無しでは、
経理処理の継続は負担となります。

個人事業で貸借対照表が玄人向けであった背景には以上の事情があります。

一方で、そうした事情が変わる可能性もあります。

BSが身近 インボイス開始でどうする?

2023年(令和5年)10月より消費税インボイス制度が始まります。

これまでの免税事業者から課税事業者へと移行する事業者も増加します。

売上高が5000万円以下であれば簡易課税が利用できますし、
免税事業者であれば「2割特例」の選択も可能です。

どちらも本則課税に比べれば処理の負担は大きくありません。

とはいえ、消費税の納税に至る経理処理が加わります。

付け加わる経理処理の負担緩和は、

  • 会計ソフトの利用
  • 貸借対照表の作成

といった選択ともつながります。

一見すると、かえって経理処理が重くなる印象もありますが、

  • 会計ソフト(クラウド会計ソフト)
  • オンライン対応
  • ペーパーレス化
  • キャッシュレス化

とつながることで効率化の可能性もあります。

貸借対照表を作成するためだけの経理処理ではパッとしませんが、
関連する可能性を検討してみると印象が変わります。

従来の経理のやり方を見直すきっかけになるかもしれません。

税理士のサポートも有効な選択肢になるはずです。

 

蛇足
石川県小松市は古代から石の文化が継承されているそうです。
宝石より石材として利用されてきたようです。
お土産にはリアルの石よりお菓子がおすすめですね。

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