インボイスの混乱と誤解はどうして生成される?
専門用語のご利益を肯定する!
2023年(令和5年)に急激に目立ったことばに「生成」があります。
「AI」とセットで使われる「生成」には魅力がありそうですが、
「税金」とのセットは回避の対象です(笑)。
専門用語のご利益 町内の慰労会
私の実家は石川県加賀地方の山間部にあります。
「簡易水道」といった施設があり、生活用水として使っており、
初夏と晩秋に定期的に清掃しています。
日曜日の早朝に清掃作業を行い、昼食を兼ねた慰労会があります。
参加者は40~70代ということもあり、話題にも偏りがあります。
まずは、健康。
- 健康診断には行っておけ!
- 健康診断は無駄だ!放っておけ!
老後の生活設計も定番の話題です。
- 早期退職もいいかな?
- 死ぬまで働くか…!?
- 退職金と年金と運用で悠々自適!
40代半ばで参加者最年少の私にはどれも参考になる意見です(笑)。
税金の話もちらほら登場します。
税務相談未満での誤解や混乱の例示ともいえる内容です。
専門用語のご利益 誤解と混乱の生成過程
2023年(令和5年)消費税インボイス制度が始まりました。
大手メディアでもインボイスが取り上げられていたこともあり、
慰労会でも話題となりました。
- 貿易のときに使っとるやつやろ?
- 「非課税」なのに税金が増える弱い者いじめ!
- 税金が増えるの?
込み入った内容でもなく、整理は難しくない問題です。
上記の問題では専門用語を最小限使ってことばを補えば、
誤解と混乱は避けられます。
ます、日本で一般人も巻き込んで話題となっている「インボイス」は、
- 消費税の
- 事業者の納税額の計算に
関連している仕組みです。
貿易で扱われる仕送り明細としてのインボイスとは文脈が異なります。
消費税インボイス制度では、
- 売上高1,000万円以下の
- 「免税」事業者であってもインボイス登録することで
- 「課税」事業者となり
- 消費税の納税負担が義務となります
インボイス制度が開始されるといっても、
- 消費税の税率には変更がなく、
- 消費税以外の他の税目とは関連せず、
- 一般の消費者には負担は生じない
「消費税」や「事業者」といった主語と仕組みを対応させると、
誤解や混乱は生じにくくなります。
専門用語のご利益 整理と判断のツール
インボイス制度では「仕入税額控除」も目立つことばです。
インボイス制度導入により強化される対象なので違和感はありません。
反面、消費税の納税額の基本的な仕組みの理解なしに目にすると、
余分な誤解や混乱を生成しそうです。
- 消費税の納税額=(受け取った消費税)-(支払った消費税)
- 「仕入税額控除」→「-(支払った消費税)」に該当
- インボイス→「支払った消費税」の証明を強化
慣れ親しんだことばでの説明は問題との距離感を埋めてくれますが、
誤解や混乱といったズレも生成しかねません。
専門用語は扱いにくい印象があります。
しかし、最小限の専門用語を理解して慣れておくことで、
誤解や混乱の生成を止めてくれるご利益があります。
問題の整理と判断のツールとして専門用語を理解することはおすすめです。
蛇足
アイキャッチ画像が慰労会でのオードブルです。
オードブルの他に刺身とお寿司、ビールが定番です。
参加者の胃腸年齢を考慮したのか、揚げ物は少なめでした(笑)。
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