DXの時代に税理士って必要なの?、と聞かれたらどう答えるか?
答えられないと廃業一直線です(笑)。
DXと税理士 勉強する意味の意味
「これって勉強する意味あるんですか?」、という質問にストレートに応えるのは
残念な機械的対応です。
こういった質問の裏には、
- 勉強したくない
- あなたの考えが間違ってる
- 時間と労力の無駄
- 何の効果があるのか本当はわかってないんじゃないの?
といった遠回しな否定の意図があります。
たとえば、経理や会計。複式簿記。
お金を管理するための専門的な体系があることは否定されません。
その一方で、DXやAIが発展している時代に経理や簿記の学習が
徒労に終わりそうな印象を受けます。
うっかりすると、税理士不要論がまかり通りそうです。
むしろ、オンラインでのデータの連携やデータの加工スキルにつながる
アプリやプログラミングに魅力を感じるかもしれません。
DXと税理士 試行錯誤は並行する
テクノロジーの発展で楽ができる恩恵は誰もが実感しています。
(停電になったら困りますよね)
DXやAIへの期待に共通しているのは、
- 面倒な経理処理を知識や経験が無くても
- お金をかけずに
- 時間もかけずに
- 間違いなく
片付けたいという欲求があります。
見方を変えると、上記の欲求は現状への不満です。
現状の経理処理が、
- 専門知識や経験が必要であり
- 税理士やスタッフへのお金がかかり
- 時間をかけて処理をして
- ミスもありえる
といった不満があらわになります。
こうした不満は当事者である税理士も共感しています。
だからこそ、クラウド会計でのデータ連携や自動仕訳に魅力を感じるわけです。
短絡的にとらえると、データの連携や処理さえできれば業務完了!、
と誤解しかねません。
見逃しがちなのは、「間違い」や「ミス」の判断基準です。
判断の基準が現行制度上で適性や適法であっても、決算や申告だけでなく、
経営の都合上、別途データを加工する余地もあります。
たとえば、部門別会計や補助コードの利用。
現状の経営だけでなく、将来の経営のシミュレーションも視野に入れます。
制度上の処理と並行して、異なる処理を検討する可能性があるわけです。
言い換えると、経営やそれにともなう経理処理には試行錯誤が並行します。
DXと税理士 どこまでも続く試行錯誤
DXやAIで税理士がオワコン化するという話には、
- 経理処理は唯一の正解がある
- 現状が続いていく
という暗黙の前提がありそうです。
経営の内部環境も外部環境も変化し続けています。
2019年インバウンド効果での賑わいと2020年以降のコロナ禍だけをみても、
経営の試行錯誤は続いていきそうです。
経営者の並行する想いや判断をサポートする役割は必要です。
税理士が経営者のサポーターとして果たす役割は続きます。
蛇足
皮肉ですが、試行錯誤をしている税理士ほどDXやAIに期待している印象です(笑)。
<ご案内>
■林友範税理士事務所
■災害と税金の情報
■確定申告のご依頼も受付中!