申告書をご確認くださいの理由とは?
税理士や役所はわかっているは誤解!?
好意的な誤解は基本的に訂正しないようにしています。
あえて無駄口をたたく必要はありませんから(笑)。
とはいえ、誤解がトラブルのもとになりそうな場合は
ことばを補う必要があります。
ご確認ください ズケズケとそそくさの税務支援
税理士業という職業柄とはいえ、随分ズケズケと言うなぁ
と思うことがあります。
- 銀行の通帳を見せて下さい
- 決算書と申告書をお願いします
主に事業活動での資料とはいえ、個人事業では私用もあり、
ガチガチの個人情報です。
個人情報の重要性はわかっているので、
- 必要な対象をはっきり伝えて、
- 確認した後で当事者に返却し、
- 税理士の手元に資料等は残さない
といったことに留意しています。
他方、確定申告の税務支援で所得税の申告をする際には、
そそくさと来場者にご確認をいただく一面もあります。
ご確認ください 税理士や役所への誤解
収入や所得、事業で言えば売上や利益が漏れてしまうと、
適切な税額が計算できません。
事業であれば売上除外といったタブーになります。
ズケズケと確認が必要となります。
他方、所得から差し引く「控除」となると事情が異なります。
所得控除は納税者だけでなく、家族の状況とも関わります。
収入や所得は個人の経済活動と割り切れる面がありますが、
所得控除は繊細な取り扱いの対象となることがあります。
障害者控除やひとり親・寡婦控除などがそうした控除の例です。
税理士としてはビジネスライクに仕事と割り切りつつ、
そそくさとお尋ねしています。
ちょっとした誤解があり、補足の説明をすることがあります。
たとえば、障害者控除。
障害者手帳をお持ちの方で役所が情報を把握しているから
所得控除も自動で受けられると誤解されていることがあります。
残念ながら、福祉行政と税務行政は連携していません。
所得税の負担に障害者手帳の状況を反映させるためには
申告が必要となります。
言うまでもないことですが、税理士がプライベートな情報に
何でもかんでもアクセスできるわけでもありません。
当事者からの申告無しでは把握しきれないことがあります。
ご確認ください 過年度比較が大切な理由
税務支援に従事していると、毎年来場される方は資料が充足しています。
申告処理だけであれば詰まることなく進められます。
一方、過去の申告書まで持参される方となるとムラがあります。
申告会場でのやりとりはその場限りで時間も情報も限定的です。
収入・所得だけでなく、控除の変化や漏れを確認する際には
過去の申告書との対比が有効な手段です。
個人情報に配慮しつつ、適正で負担の少ない税務申告では
当事者目線での申告書の確認が必要になります。
蛇足
アイキャッチ画像は能美市役所(石川県)の玄関に飾られてる
九谷焼の唐獅子です。
厳ついイメージの唐獅子ですが、金運と関連しているんですね。
<ご案内>
■林友範税理士事務所
■災害と税金の情報
■確定申告のご依頼も受付中!