法人税に決算書みたいな申告書がある!?
別表4がPLで別表5(1)がBSみたいな?

法人税法といえばカチッとしていて近寄りがたい、
とっつきにくい印象です。

印象通りの実態かもしれません(笑)。

一方で、申告書の一部が「〇〇みたいな」といった
フワッとした表現がされます。

堅苦しい印象の申告書と「みたいな」といった表現には
不思議なギャップを感じます。

秋みたいな光景

〇〇みたいな 決算書の出番

所得税は一般にはごちゃごちゃした税目です。

所得区分が10種類もあり、税額の算出方法も異なります。

他方、法人税と比べると「事業」所得税の扱いは
グッとシンプルに感じられます。

事業所得での税額の算出は、

  1. 記帳により帳簿を作成して、
  2. 損益計算書や貸借対照表といった決算書を作成後に
  3. 所得税申告書にデータを反映させる

といった過程となります。

2→3の過程で会計→税務申告へとつながりがあるものの、
申告書の様式は会計と別物の印象です。

会計での決算書と税務申告での申告書と分かれており、
数少ないスッキリした一面とも言えます。

〇〇みたいな 見た目が違う!?

法人税は組織の形態が個人事業と異なるとはいえ、
事業による所得への課税です。

法人税での税額の算出過程は、基本的に所得税と同じです。

記帳による帳簿作成→決算書の作成→申告書の作成と
過程に違いはありません。

一方で、申告書の形式はガラッと異なります。

「別表(べっぴょう)」といった各種の申告書を作成します。

別表の中でも、「別表4」と「別表5(1)」は必ず作成します。

それぞれの別表には法人税特有の表現がされることがあります。

  • 別表4‐法人税版の損益計算書みたいな申告書
  • 別表5(1)‐法人税版の貸借対照表みたいな申告書

法人税や損益計算書・貸借対照表といったことばと
「みたいな」が水と油のように感じられます。

ややこしいことに、それぞれの別表の様式・見た目が
損益計算書と貸借対照表と対応していません。

まずは別表4。

当期利益からスタートしていることで損益計算とつながりますが、
収益や費用が網羅的に計上されているわけではありません。

別表4が法人税版の損益計算書とされる理由は、会計と税法のズレを調整して
利益と所得をつなげているためです

損益計算書の利益を直接法人税額の計算に使うのではなく、
別表4を変換コネクターとして所得にしています。

〇〇みたいな 事業も決算書・申告書もつながる!

法人税の税額の算出だけであれば、別表4の所得だけで済みそうです。

単年度だけでの課税であれば、フローのデータが対象です。

他方で、事業の継続をデータ上でも範囲えさせようとすると、
貸借対照表でストックのデータを収容します。

法人税では、別表5(1)が税額計算に関連したストックのデータを
貸借対照表みたいに反映させています

期首→当期の増減→翌期首(当期末)と時間の流れが組み込まれています。

会計の貸借対照表と様式は異なるものの、ストックのデータを収容して、
別表5(1)は課税の連続性をつないでいます。

「〇〇みたいな」といったフワッとした表現をしてみると、
法人税の申告書にも向き合いやすくなります。

 

蛇足
アイキャッチ画像は事務所側で撮影したものです。
雲の様子や街路樹の紅葉が秋みたいな光景です。
とはいえ、日中は30℃超ですが(笑)。

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