消費税だけの依頼はコスパが高いのか?
消費税インボイス制度開始以降での再検討

サービスは細分化していくとビジネスチャンスが増える
といった一般論があります(たぶん)。

税目ごとのサービスメニューもありえそうです。

消費税インボイス制度開始以降での変化も折り込んで
再度考えてみました。

掘ってみないと見えない遺跡

消費税だけ 難しい値付け

税理士業と一口に言っても事務所ごとに提供するサービスも
料金も異なります。

事業者・経営者を対象にしている場合でも、

  • 法人と個人
  • 経営規模
  • 事業内容 
  • 応対頻度(毎月・隔月・年一)
  • 応対手段(対面・オンライン・メール・チャット・電話) etc

といった細分化の余地があります。

提供できるサービスを細分化していくことでミスマッチを
防ぎやすくなります。

一方で、値付けは悩みの種です。

細分化のあまり複雑・煩雑なメニュー構成になっては、
お客様だけでなく、提供する側にも負担です(笑)。

折り合いのつくサービスメニューと値付けの構成では
試行錯誤が続きます。

他方、特定の税目だけの依頼を可能にすれば内容も料金も
スッキリしそうな印象があります。

たとえば、消費税だけを税理士に依頼する場合。

消費税だけ 税目ごとの処理は可能か?の再検討

2023年(令和5年)から消費税インボイス制度が始まりました。

インボイス対応により免税事業者から課税事業者となった
という事業者も少なくありません。

所得税だけでなく、消費税の申告・納税も必要となりました。

所得税だけの確定申告であれば自力で対応された方も
消費税が加わることでお手上げになったかもしれません。

消費税の申告書作成だけを税理士に依頼できないか?
といった需要はありそうです。

消費税といった特定の税目だけの税理士への依頼は可能か?
というと可能です。

とはいえ、私はおすすめはしません

細分化したサービスが必ずしも期待通りの結果につながる
とは言えない面があるからです。

インボイス制度開始以前にも検討したテーマですが、
開始以降はさらに強調できると考えています。
 (消費税申告だけの顧問契約はアリか?)

消費税だけ 問題は申告と納税だけか?

課税事業者にとっての消費税は、納税額が利益とつながらない
というわかりにくい印象があります。

本則課税、簡易課税・2割特例と選択の余地があるだけでなく、
経理処理にも違いが出てきます。

消費税の申告・納税が加わることで、申告までの処理が増え、
納税額もグッと増えたりします。

事業の資金繰りでも諸費税の納税負担を折り込む必要があります。

消費税の処理だけを税理士に依頼することは可能です。

他方、事業全体の資金繰りを想定する際には後手に回る、
対応が遅れる問題があります。

また、消費税の本則→簡易や簡易→本則課税の選択と変更は、

  • 届出書は適用する事業年度前に提出する!

という仕組みがあります。

多額の設備投資や廃業を見込んでいる状況で後手に回ると
想定外の消費税負担が発生することにもなります。

インボイス制度に対応する事業者は消費税の申告・納税が必須です。

とはいえ、消費税の申告書の作成と納税だけに注目することが
税理士への依頼の最適な判断基準とは言えません

消費税だけではなく、事業の経理処理や資金繰りに及んだ
税理士への依頼がおすすめです。

長期の経営では割に合うコスパの高い選択となります。

 

蛇足
アイキャッチ画像は石川県野々市市ののいちしで見かけた光景です。
金沢市に近く、毎年住宅の工事が続いている地域です。
平野部で大きな河川もないので、古代からの遺跡が
市内各所から見つかっているようです。

今週のスタエフ

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