残念な帳簿を作らないコツとは?
個人事業主・法人共通のチェックポイント
なんとか仕上げたはずの成果をあっさり否定されると、
がっかりしますね。
帳簿の作成は決算書・申告書作成の裏付けにもなるので、
残念にならない対策がおすすめです。
残念な帳簿 100点満点はない!?
仕事で疲れを感じるのは「どこまでやったら終わりなのか?」
といった疑念があるときです。
先が見通せないと一つ一つの判断や処理に負担の感じます。
たとえば、帳簿の作成。
個人事業主であれば1月1日から12月31日までの取引記録で
帳簿を作成することになります。
帳簿の基本的なデータでは、
- 日付
- 金額
- 相手先
- 勘定科目
と簡潔なはずです。
とはいえ、出来上がった帳簿には出来不出来があります。
100点満点や完璧といった評価は試験はともかく、
実務上は現実的ではありません。
それでも、一定の水準を満たすためにはどこまで確認するか
といったチェックポイントが気になります。
残念な帳簿を作らない対策があります。
残念な帳簿 個人でも法人でも共通のチェックポイント
帳簿を作る目的では下記が身近です。
- 決算書の作成
- 申告者の作成
決算書や申告書の作成では下記がタブーです。
- 売上の除外
- 架空経費の計上
取引の根拠が欠けている・無視している帳簿は
どんな業界の帳簿でも論外です(笑)。
(政治家のための確定申告の手引!)
取引の裏付けとなる資料があれば帳簿は作成できます。
とはいえ、最低限の事項の入力さえすればOKとはいえません。
たとえば、発生主義や実現主義での処理の欠如。
売上でも仕入でも取引が成立したときに記帳しますが、
決済に焦点を当てた現金主義だと「期ズレ」となります。
お金の動きを追いかける現金主義はわかりやすいのですが、
帳簿の作成では経営を表しきれない残念な面があります。
(大人の教養簿記Vol.5 本当にガラス張り経営?)
帳簿作成後の未確認も残念な結果になりがちです。
とくに会計ソフトを使っている場合にみられます。
貸借対照表科目の残高が「マイナス」になっているのであれば、
二重仕訳や未入力を疑う余地があります。
(勘定科目はマイナス残高になっていませんか?)
会計ソフトは効率的な帳簿の作成に最有力の選択肢です。
一度の入力で転記・集計が行われ、決算書までたどり着けます。
反面、誤処理の訂正や未処理への対応が欠けていると、
誤処理や未処理が反映された決算書となります。
期中に「仮払金」や「仮受金」で記帳することがあります。
放置しておくと経費や収入なのか判然としない決算書となります。
確認の漏れや未処理が売上の除外や経費の漏れにつながると
損益だけでなく税負担まで左右されます。
帳簿と関連する資料では「棚卸」等の貸借対照表科目の内訳
が把握できていることも見逃せません。
(決算書の売上原価や減価償却がつながらない!?)
期末の棚卸在庫は翌年度期首の棚卸在庫となって、
翌年度の売上原価を構成します。
帳簿は1年間を単位に作成しますが、事業は継続が前提です。
「期間損益計算」をつなぐ根拠によって帳簿を作成する必要があります。
残念な帳簿 活躍場面は申告だけじゃない!
帳簿の作成では「勘定科目」の選択に戸惑われるかもしれません。
水道光熱費が減価償却費だったり、租税公課が交際費だったりすると
帳簿の作成者でも混乱します。
取引に沿った勘定科目を選択して継続することがおすすめです。
「雑費」は使いやすい勘定科目ですが、多用はおすすめできません。
取引回数が少なく、金額が小さい場合に限定して使います。
帳簿は決算書・税務申告書の作成に欠かせない根拠となりますが、
それだけではもったいない成果でもあります。
経営の成果を反映させている帳簿は、
- 過年度との比較
- 現状の実態把握
- 今後の経営・資金繰りの根拠
と活用できる面があります。
せっかく作成する帳簿だからこそ、
- 残念な成果にしない!
- 成果を税務申告だけに限定しない!
といった取り組み方がおすすめとなります。
蛇足
アイキャッチ画像は近所の畦で撮影しました。
北陸(石川県)在住ですが、2月上旬にオオイヌノフグリが咲いていました。
春に向かっていますね。
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