フリーランス・個人事業主が貸借対照表に弱い理由

強くなるために。

貸借対照表に弱い 損益はわかる!

2021年(令和3年)4月15日(木)、
長きに渡る令和2年度の確定申告期が終了しました。

白色申告であれ、青色申告であれ、
申告が完了すれば、手元に成果が残ります。

翌年以降の申告処理の改善のためにも振り返りが大切です。

フリーランス・個人事業主の方にとって確定申告は、
1年間の経営成績と経営状況を見える化する機会でもあります。

決算書、とくに損益計算書は事業活動の成果が
ダイレクトに反映しているので関心も強くなります。

損益計算書は3~5年分を並べてみることで、
事業の推移を分析することにつながります。
Excelなどで加工することがおすすめです。
(決算の後で決算書を並べましたか?)

貸借対照表に弱い 個人は貸借対照表に弱い!?

どんな経営者も損益計算書には関心を持ちます。

その一方で、不人気なのが貸借対照表
損益計算書や申告書からはハブられている印象です。

損益計算書は利益(所得)が税金の計算につながりますが、
貸借対照表は一見すると宙ぶらりんな印象です。

貸借対照表は年(度)末の資産や負債の状態を表しています。
1年間という時間の区切りをつけるために登場します。

ちょっと抽象的なので具体例をあげると、
売上の内、年末に未回収の分が「売掛金(資産)」です。
従業員の源泉所得税の内、未納付の分が「預り金(負債)」です。

貸借対照表は翌年以降の経営に影響を及ぼす内容です。
言い換えると、貸借対照表の内容がわからないということは、
翌年以降の経営計画が曖昧になりかねない、ともいえます。

法人の決算では、決算書や申告書の他に「科目内訳書」を作成します。
科目内訳書では各勘定科目の内訳が示されます。

たとえば、売掛金では取引先や売掛金残高。
預り金ならば内容と金額。
当然ですが、決算書(貸借対照表)との一致が必須です。

決算・申告の処理の資料やデータは法人(会社・経営者)から提出していただきます。

個人の確定申告に比べて厳しい基準が課される法人では、
貸借対照表の作成を通じて経営状態を深く検討することになります。

貸借対照表に弱い 「毎月」からスタート

貸借対照表は1年間の末の経営状態を表したものです。
翌年以降の経営につながります。

現実の経営管理では、1年間は長丁場です。

法人であれ、フリーランス・個人事業主であれ1か月ごとの管理が
ちょっとした手間ですが、経営の把握にはプラスです。

年間(年度末)での決算ほどの厳密さは不要なのですが、
毎月ごとの処理は経営成績と近い将来の動向を見極めるためにおすすめです。

 

蛇足
青色申告では貸借対照表はオプション設定にみえます。
ナカノヒトの目線では、単式簿記と複式簿記という
全く次元の違う処理と感じています。

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