帳簿作成をすすめる面々 税理士・税務署・銀行?

思惑はいろいろあります。

帳簿作成をすすめる 誰もがすすめる?

帳簿をつけましょう!、とはよく聞く話です。

経営者にとっては、今さら・耳タコかもしれません(笑)。

とはいえ、よくよく考えてみると不思議なことがあります。

「帳簿をつけましょう!」って誰が言ってるのか?

独立している経営者に当然の如く何かをすすめることは
あまり多くないはずです。

経営と密接な帳簿の作成となると、部外者は口を挟みにくい
テーマです。

にもかかわらず、「帳簿をつけましょう!」といわれるのは、
事業活動や経営者に関わる面々がいるからです。

帳簿作成をすすめる 税理士・税務署・銀行

帳簿の作成を経営者にすすめるのは、税理士・税務署・銀行です。

共通するのは、間接的に事業活動や経営者に関わっていることです。

まず税理士。
経営者とは契約により経理や税金の処理に当たります。

税理士が経営者に帳簿の作成を熱心にすすめるのは、
正確で早い処理が経営判断に必要なことと考えているからです。

たとえば、年度末に節税対策を考える場合でも、
帳簿や資料が曖昧な状態では、実のある提案はできません。

次に税務署。
経営者とは事業での所得や消費税で関わりが中心です。

現状、日本では所得税も法人税も消費税も申告納税制度です。

税金というと一方的にとられる印象ですが、
制度上は納税者(経営者)からの申告を前提にしています。

税務署にとっては正確かつ効率性を税務行政でも行う必要があります。

申告納税制度と税務行政を両立させるという折り合いが
経営者に帳簿作成を促すことになります。

そして銀行。
経営者とは融資を通じて利害関係をもちます。

銀行は経営者に貸付をして回収を経て、業務が成り立ちます。

通常、融資(返済)期間は長期に渡るため、融資段階だけでなく、
返済期間中の事業活動にも関心が向きます。
正確で早い経営判断に帳簿が欠かせない、ということです。

最近では、銀行がクラウド会計サービスをすすめていることもあります。
たとえば、北國(ほっこく)銀行(金沢市)。
事業者向けに「freee(フリー)」を紹介しています。
(中国銀行や鳥取銀行なども同じようなfreeeの紹介をしています)

銀行口座の利用記録がデータの集まりと考えると、
インターネットバンキングの利用とクラウド会計は相性が良いわけです。

帳簿作成をすすめる ことばの裏にある期待

「帳簿をつけましょう!」というよく聞く話でも、
利害関係が異なる面々からのおすすめといえます。

税理士・税務署・銀行では経営者と関わり方は異なるものの、
事業活動や経営者とのつながりを長期的にとらえています。

外部からの指摘やおすすめはちょっとしたうっとうしさがありますが、
事業活動が長期に渡って継続する前提や期待がことばの裏にあります。

 

蛇足
数年前、北國銀行のテレビCMでfreeeが紹介されていました。
銀行のCMか、クラウド会計のCMか区別がつかない内容でした(笑)。

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