e-Taxで税理士は不要になるのか!?
入力や計算ではなく読解力が分かれ目!
「税理士不要論」は不定期で現れます。
「またか…」といった呆れた印象もあります(笑)。
ちょっと深掘りしてみると、不要論も納得できます。
税理士不要論 相談会場での応答風景
毎年のことですが、確定申告期には相談会場に出張ってます。
朝9時から夕方16時まで納税者の相談・申告を受け付けています。
平日で高齢者の多い地域でもあり、来場も毎年の方が多く、
資料の準備なども整っていたりします。
相談の中では申告書のチェックの依頼もあります。
かつては手書き・電卓で計算された方がみられました。
2020年代以降は「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作成され、
持参される方も目立ちます。
「作成コーナー」は大半の所得税申告書に対応しており、
ウェブサイトで手軽に利用できる点が魅力です。
作成した申告書をマイナンバーカードで電子申告すれば、
外出や郵送の手間も省けます。
「作成コーナー」の利用もe-Tax利用の一環と考えると、
税理士抜きで税務申告が完結しそうです。
相談会場に作成された申告書を持参することと矛盾します。
税理士不要論 定型的なQ&A読解をスルー!?
「作成コーナー」に限らず税務会計ソフトは、
- 一度の入力で集計・転記ができる
- 手書きのように書き方の作法でまようことがない
といった面で魅力があります。
とりあえず入力さえしてしまえば帳簿や決算書、申告書が出力できます。
「税理士不要論」がまであと一歩に思えます(笑)。
「作成コーナー」も順序通り入力すれば申告書が作成できるので、
戸惑うことは少ないはずです。
一方で、相談会場でチェックを依頼される方は絶えません。
税理士への信頼の厚さと思いたいところです。
(私への信頼とまで言わない謙虚さはあります(笑))
確かに税理士に期待する傾向は感じられます。
反面、質問の多くは込み入った内容は多くなく、
ちょっとした確認で済みます。
たとえば、社会保険料控除。
入力画面はシンプルです。
入力の処理ではなく、入力対象としての適正か否かが気になります。
「作成コーナー」でもそうした点は想定済みとなっています。
たとえば、一緒に生活している家族の分の社会保険を払った場合に
所得控除できるかどうか?
入力以前に確かめることができます。
「よくある質問」から該当する応答を確認できます。
「生計を一にしていた子の国民年金を納付した場合」が参考になります。
「生計を一にしていた」という見慣れない表現はありますが、
疑問を解消できる内容が示されています。
膨大なQ&A全てを確認する必要はありません。
一方で、ちょっとした確認や読解をスルーされる方は多そうです。
税理士不要論 入力や計算より読解力
税務申告の処理や手続きはとっつきにくい印象です。
一方で、ソフトの利用次第で集計・転記の負担は
グッと小さくなっています。
こうした面での「税理士不要論」は当然です。
「作成コーナー」では定型的な疑問へのQ&Aが用意されています。
ソフトが集計・転記の負担をなくしたことと同じく、
「税理士不要論」が当てはまりそうです。
現実には読解をスルーされる方が目立ちます。
相談会場では読解をスルーされた方への相談もしていますが、
「税理士不要論」で済んでいれば効率的なはすです。
読解力(リテラシー)を高めた結果の「税理士不要論」は
納税者にとっても税理士にとってもプラスになります。
蛇足
アイキャッチ画像は能美市役所に展示してある作品です。
石川県唯一の動物園は金沢市より南の能美(のみ)市にあります。
かつての動物園は金沢市卯辰山にありました。
北陸新幹線開業後は「ひがし茶屋街」で注目されている近くでした。
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