決算後の残高確認はハラスメントか?
損益計算も検証可能性も会計の成果!

「ハラスメント」や「〇〇ハラ」の表現は使われていますが、
ピンとくる日本語での実感がありません。

自分もハラスメントをしている当事者なのかも?、
と思うときがあります。

ことば足らずを補っていくことも試行錯誤のテーマです。

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残高ハラ 本年の申告完了の後始末

確定申告が完了するとホッとします。

税理士として依頼された分だけが完了の対象ではありません。

たとえば、記帳指導に参加された方の確定申告。

帳簿の作成から決算書・申告書の作成と提出に至るまで、
納税者が自ら申告を行います。

とはいえ、記帳指導の担当税理士としての仕事があります。

無事に確定申告が完了できていた後でも確認や
指摘の過程が残るわけです。

貸借科目の残高確認もその一つです。

残高ハラ 損益計算との食い違い

貸借対照表は損益計算にストレートに参加しませんが、

  • 事業の継続と会計期間のつながりを裏付ける

といった面で重要です。

期末の残高と翌期首の残高が一致していることで
事業の継続・連続性を示すことになります。

預金残高がわかりやすい例です。

記帳指導でも貸借対照表付きの青色申告であれば、
必ず残高の一致を確認します。

税理士目線では「念のため」・「一応」といった
軽い確認のつもりです。

記帳指導参加者も損益計算とは関係ないだろうと、
あまり気に留めていないことがあります。

確認の結果、残高のズレがあっさり見つかることがあります。

動揺する税理士とは別に、参加当事者は泰然としていたりします(笑)。

「事業(損益)と関係ないプライベートのお金は入力を省きました」
と明瞭な返答があったりします。

損益計算は会計処理の目的でもあり成果ともなりますが、
それだけが目的や成果ではありません。

軽い確認のつもりが複式簿記の核心に迫る機会となります。

残高ハラ 検証できる網羅性も成果

白色申告や簡易簿記での青色申告であれば損益計算のみです。

貸借対照表は作成しません。

売上と経費さえ把握するにとどまります。

直感的にも処理の面でもシンプルな構造です。

反面、検証の可能性が脆弱です。

会計処理を行う当事者目線での計上対象が確認対象となります。

計上する金額の誤りやズレを網羅して確認する仕組みが
損益計算だけでは不十分です。

複式簿記での処理は損益計算も成果ではありますが、
残高の確認による検証も成果として加わります。

会計処理を網羅的に検証する前提としてデータの充足があります。

事業(損益)に関係ない預金のデータも省いてはいけないわけです。

データが欠如しても損益や課税所得、税額に影響がでないこともあります。

ただし、検証性や会計処理の継続では支障が生じています。

確定申告が完了してホッとしているときでも、

  • 会計処理の後は残高をご確認ください!

といった指摘は必須です。

ハラスメントではなく、記帳指導後の贈ることばです。

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蛇足
アイキャッチ画像は2024年(令和6年)3月にリニューアルした
小松駅側の「あづま屋(石川県小松市)」のパンです。
3月16日に金沢から敦賀まで北陸新幹線が延伸開業されました。
小松駅にも新幹線が停車します。
市内では「自動運転バス」の導入も始まりました。
これまでの継続とこれからの変化がみられそうです。

蛇足2
「あづま屋」はウェブで検索すると「あづまや」でヒットします。
レシートの表記は「あづま屋」…?
税理士らしくインボイス登録番号で検索した結果、
「あづま屋」で表記しました。

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