青色決算書から経営分析をスタートする!
欲しい対象は「円」だけですか?
新しく何かを追加するより手元の資料からスタートできます。
「今年」のスタートにも役立つはずです。
青色から分析 どこをどうみる?
「確定申告が完了したら、経営を振り返りましょう!」
AIチャットボット並みの模範解答です。
面白みに欠けますが、おすすめできます。
1年の経営をしっかり踏まえた決算・申告の直後は、
- 記憶が鮮明で
- 問題点を把握しており、
- 改善への意欲が高まっている
という時期です。
とはいえ、心がけだけでは掛け声倒れになります。
具体的な行動につながる分析が必要です。
確定申告完了直後であれば、
- 青色決算書の月別の売上と仕入
といった対象から分析ができます。
青色から分析 まずはここ、ついでにこれも?
青色決算書は白色申告(収支内訳書)に比べて
詳細なデータが必要です。
その一つが、「月別」の売上と仕入金額です。
集計が面倒くさかったという方もおられるかもしれません(笑)。
一方、データがそろっていることで、
- 月別の売上高の推移
- 月別の仕入額の推移
- 月別の粗利(売上総利益)の推移
といった分析につながります。
在庫(棚卸資産)を反映していないものの、参考にはなります。
売上に注目するという視点では、
- 「農業所得」の決算書
も参考になります。
農業所得は所得区分上では事業所得ですが、
「営業等所得」と異なる様式の決算書です。
収入(売上)の記入内容は下記の通りです。
「営業等所得」では見慣れない項目や単位が目につきます。
「確定申告書等作成コーナー」の入力画面は以下の内容です。
決算書は数字の羅列という印象ですが、
- 「農業所得」では「円」以外の単位も対象になる
といった違いがはっきりしています。
「営業等所得」の決算書の作成が気楽におもえそうな印象です(笑)。
集計や把握する対象が増えると処理の負担は増えます。
その代償として、分析の切り口をとらえやすくもなります。
1年間ではなく、過年度とのデータを並べることで、
経営の変動がわかりやすくなります。
青色から分析 ほしい数字は?
農業所得では作付面積や家畜の飼育頭数などと
販売額(売上高)が関連性をもちます。
税負担額の算出とは直接関連しないものの、
関連データは分析にプラスとなります。
「営業等所得」では「円」以外での関連データは
決算書作成上不要です。
とはいえ、「営業等所得」でも「農業所得」と同様に
売上と関連する分析対象はあるはずです。
- 仕入(売上原価)?
- 人件費?
- 外注費?
- 設備投資(減価償却費)? etc.
「円」以外の単位では、
- 「人」
- 「㎡」
- 「台」数
- 「時間」 etc.
といった切り口があります。
事業の内容や経営方針で分析の優先順位が変わる
といったことも考えられます。
確定申告が完了後、「今年」の数字を追うときだからこそ、
「ほしい」数字を検討する機会となります。
蛇足
決算書や会計ソフトからは経営分析のデータを得られますが、
分析の場としては不適です。
Excelなどを使っての処理や見える化がおすすめです。
今週のスタエフ
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