内部留保って良い悪いがあるのか?
めったに使わないことばの「留保(りゅうほ)」ですが、
ため込んでいるイメージはなぜかはっきりしています。
田んぼダム
内部留保 ダムが必要
2022年(令和4年)6月、雹が降った地域もあったようですが、
梅雨といっても目立った水害は発生していません。
空(から)梅雨かな?、という天候が続いています。
私の住んでいる北陸(石川県)は雪国ということもあって
例年水不足の心配はありません。
一方で、昭和9年7月には死者・行方不明者合わせて100人以上
といった水害も発生しています。
現在は手取川ダムなどが機能しているので、不安は大きくありません。
ダムに水をためていることで、水が過剰な水害の不安だけでなく、
水不足による農業被害の不安もないわけです。
内部留保 ざっくり正体を知っておく
松下幸之助が提唱した「ダム式経営」という考え方があります。
ざっくりとらえると、
- 企業の経営を安定させるためにはダムのような余裕が必要
といった考え方です。
企業の経営の存続という視点からは、余裕=キャッシュ・お金
が連想できます。
コロナ禍でのゼロゼロ融資が倒産防止につながったことが
わかりやすい例です。
経営を支える内部留保としてのお金が機能しているわけです。
とはいえ、内部留保=キャッシュ・お金に限定は誤解です。
内部留保を発生のフローからとらえると、
- 内部留保 = 当期純利益 - 配当
と残った利益です。
利益→内部留保とつながります。
つながる先は利益の蓄積を示す貸借対照表の純資産です。
貸借対照表の右側(貸方かしかた)は、企業経営の元手を表しています。
同時に左側(借方かりかた)の資産は元手の状態を表しています。
言い換えると、内部留保は「資産」とはなりえても、
キャッシュ・お金とは限りません。
在庫や設備、投資の可能性もあります。
さらに、貸借対照表は期末日の一時点に限定した情報です。
内部留保の実態は刻一刻と変化しているともいえます。
内部留保 問題を切り分ける
企業の内部留保が過去最高という一方で、
賃金上昇が停滞という状況があります。
内部留保=キャッシュ・お金と限定してしまうと、
内部留保が不当な蓄財といったレッテルを貼られそうです。
内部留保が乏しい状況を想定してみると、
- 利益がでていない、赤字である
- 支払いのキャッシュ・お金が乏しい
- 設備投資が停滞している etc
といった不安な経営状況です。
内部留保の金額だけをとりだして良し悪しはいえません。
企業経営の存続と賃金問題は関連していますが、
内部留保からの検討だけでは問題をとらえ損ないます。
蛇足
物価上昇が目立っていますが、お米は逆に値下がり傾向です。
ご飯のおともの新商品や丼物などのお米を使ったメニューが
増えるかもしれませんね。
今週のスタエフ
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