おすすめしないグレーゾーンの見分け方とは? 制度趣旨と経緯でトラブル回避
怪しいところが魅力的というグレーゾーン。
魅力より見るべきことがあります。
グレーゾーン 白黒はっきりしていない!?
税理士の扱う税務会計サービスは会計と法律の裏付けが判断基準です。
のっけから堅苦しいイメージですが、よく言えば判断が振れない
カチッとしているとも言えます。
この点で私は誤解していたことがあります。
ルールさえきちんと適用すれば、処理は簡単といった誤解です。
試験に合格して資格さえ手に入れてしまえば、うまい商売だと(笑)
実際に従事してみると、あっさり誤解と向きあうことになりました。
よくある例では、家事按分。
売上と対応する家事関連費の費用計上という定番の問題です。
具体的な適用をめぐっては個別に確認が必要です。
機械的・一方的な処理では不安を残します。
費用計上の不安を残さないためには、
合理的な説明の裏付けが欠かせません。
言い換えれば、上記のような裏付けをとることが
グレーゾーンを払拭していくことになります。
制度や仕組みの枠内で納税者にとって有利な選択をすることが
グレーゾーンの選択というわけではありません。
グレーゾーン ボヤ騒ぎの炎上事件?
先日ふるさと納税をめぐって、ちょっとした炎上事件がありました。
「炎上」と表現しましたが、ボヤ騒ぎだったかもしれません。
騒動の概要は、某会社がふるさと納税の返礼品を、
- ふるさと納税をした方と自治体の間に入り
- 返礼品を換金して
- お金をふるさと納税をした方に渡す
といったサービスをするといった内容でした。
(返礼品受領の権利は上記某会社が売却するといった仕組みです)
ふるさと納税をした寄付者には返礼品ではなく、
お金が受け取れる、キャッシュバックとなるわけです。
判断の分かれ目です。
上記のサービスに対しては、
- 納税をしてキャッシュバックでラッキー
- 返礼品を自分で売却しても問題ないはず
- 返礼品の換金に事業者を利用しただけ
- ふるさと納税の意味がないんじゃない?
といった反応が予想できます。
形式だけをみれば、某会社のサービス内容は
返礼品を換金する仲介をしただけといえます。
一方、これまでのふるさと納税をめぐるトラブルを振り返ると、
上記のサービス内容は制度上グレーゾーンの印象があります。
現行では規制や禁止ではない選択肢はグレーゾーンは
判断の見極めが必要になります。
今回のふるさと納税のボヤ騒ぎでは、
- 制度趣旨の理解
- これまでの経緯
を振り返ってみることで判断ができます。
ふるさと納税は、
- 地方自治体を寄付を通じて支援する
- 高額・換金性のある返礼品はタブー
といったことが明らかです。
グレーゾーン 苦い選択も想定
今回の某会社によるふるさと納税のサービスは、
サービスを利用していない自治体から物言いが入りました。
具体的なトラブルは確認されていないようです。
法律や制度がある一方で、判断や選択の余地もあります。
納税者が有利な選択をすることに問題はありません。
その一方で、判断や選択に対する理解と裏付け、
さらにリスクを知っておく必要があります。
グレーゾーンを利用したおいしい話が苦い選択にもなります。
蛇足
今回のふるさと納税キャッシュバック騒動
- 2022年6月8日サービスリリース
- 2022年6月10日サービス終了
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