売掛金の残高があってますか? 経営者目線の経営管理
売上をあげてもほったらかしというわけにはいきません。
売掛金の残高 売上はゴールじゃない!
税理士の定番業務に「月次(げつじ)決算」サービスがあります。
毎月の入出金、経費の計上、消費税の課税区分、特異な取引などを
チェックしていきます。
重要なチェック項目には貸借対照表の残高確認もあります。
わかりやすい例では、普通預金勘定の残高。
もし銀行の残高と帳簿の残高が不一致であれば、
原因を確かめる必要があります。
他にも預り金勘定は従業員・スタッフの源泉所得税や社会保険料が
関連するため、確認が必要です。
(預り金勘定 なめるとジャングル)
上記以外で重要かつ金額が大きい勘定科目が、売掛金です。
売上を請求してから入金という回収が完了したことで、
売上が実現したことになります。
言い換えれば、売上はゴールではありません。
あるべき売掛金を確認することで営業の成果がわかります。
売掛金の残高 あるべき売掛金とは?
あるべき売掛金といわれると、ドキッとするかもしれません。
堅苦しい印象の形式知(カチッとした知識)ですが、残高確認を
ちょっと抽象的にとらえておくと、かえって見通しが良くなります。
■あるべき当月末の売掛金残高
=前月末売掛金残高+当月売上請求額ー当月回収額
上記を見える化します。
(ボックス図 税務会計の非標準ツール)
あるべき残高や形式知などという文言の割にはシンプルな印象
だと思います。
売掛金のあるべき残高を抽象的にとらえると、単純な印象です。
実務上は抽象的ではなく、具体的な管理が必要です。
売掛金残高の具体的な管理は請求ごとの管理の徹底です。
上記のボックス図を請求ごとに想定するイメージです。
売掛金の残高 どんぶり勘定は取引喪失!?
小売や飲食業のような現金商売ではない場合、毎月の締日と入金日
があるはずです。
(請求書をサクッと作る 参考ファイルもご自由にお使いください)
商習慣として、売上を請求する側と支払う側がお互いにそうした
取引ルーティンを守ることが前提です。
とはいえ、善意や好意を期待するだけでは経営を管理している
とはいえません。
あるべき売掛金残高よりも実態の売掛金残高が過剰、
売掛金の回収が停滞では取引は続けられません。
経理をまとめて処理したり、一対一の対応ではなくどんぶり勘定だと
あるべき残高と実態との区別がつかなくなります。
お金の絡んだ曖昧な状況は、いずれ・何らかのトラブルに陥ります。
売掛金の残高のチェックの不徹底は、将来の取引を失う危険にも
つながります。
売上をあげる、売上を伸ばすといったことに比べて、
売掛金の管理は地味ですが、必須の経営管理です。
蛇足
とあるお客様の売掛金残高をチェックしていた際に、
あるべき残高より数十万円少なかったことがあります。
取引先のミスで過剰に入金があったためです。
レアな事態に回収の遅れを発見したときよりも慌てました(笑)。
今週のスタエフ
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