預り金勘定 なめるとジャングル

今度はジャングル。

シンプルがいいですね。

預り金勘定 試験では軽いが

複式簿記では、取引を仕訳という形式で勘定科目と金額で表していきます。
定番は現金預金・売掛金や買掛金などがあります。
取引といっても、組織外部の取引先だけでなく、組織内部の役員・従業員・スタッフも含みます。

組織内部間の取引というと抽象的ですが、給料のことです。
毎月の給料支給に関連した処理も複式簿記で、帳簿に反映されます。

給料からは、毎月源泉所得税や社会保険料が天引きされます。
源泉所得税は翌月10日までに、社会保険料は翌月末日までに納付が義務付けられています。

給料から源泉所得税や社会保険料を引いた分が差引支給額です。
(給料-源泉所得税や社会保険料=差引支給額)
会計上、この差引かれた源泉所得税や社会保険料が預り金勘定として登場します。

簿記の勉強をしていたときは、決算の問題でもそっけなく出題されており、他の厄介な問題に気を取られていてあまり注目していなかった勘定科目でした。

預り金勘定 実務はジャングル

勉強中は気に留めていなかった預り金勘定ですが、実務になったとたんに鬼門と化しました。

原因は、預り金という一つの勘定科目に以下の給料からの天引き分が盛り込まれていたことでした。
・源泉所得税
・住民税
・社会保険料
・雇用保険料
なお、源泉所得税は給与だけではなく、税理士や弁護士への支払報酬を支払う際にも生じます。
(余談ですが、行政書士は源泉徴収不要です)

毎月発生して、納付時期も異なるので毎月の残高確認は慎重に行うことになりました。
会計ソフトを利用している場合は、預り金勘定に補助科目として管理することがよくあります。
たとえば、補助科目A源泉所得税、B住民税、C社会保険料などです。

しかし、それでもトラブルは発生します。
意表を突かれたケースでは、給料ソフトで計算したデータと異なる出金がなされることが多かった某会社でありました。
(給料と預り金(天引き分)と差引支給が合わないというわけでした)
何度もミスが無いかを確認して、結局おそるおそるお客様に問い合わせたところ、「がんばっているコには余分に渡しとる」とサクッと返答をいただきました・・・

慌てずに確認が必要ということです。

預り金は実務上は多様な天引き群の総称でもあるので、ジャングル状態にもなります。

預り金勘定 会計と税務・労務のつなぎめ

あらためて確認すると、預り金は会計取引の仕訳で登場する勘定科目です。

中身は、源泉所得税や住民税のような税務に関連するものや、社会保険料や雇用保険料のような労務に関連したものが含まれています。

言い換えるなら、預り金勘定は会計と税務・労務をつなぐ勘定科目とも言えます。

人件費では給料や法定福利費という損益計算書項目が注目されます。
それとは別に、預り金は貸借対照表の負債としても確認すべき勘定科目と言えます。

 

蛇足
預り金は、源泉所得税や社会保険料をあくまで納付するまで負債として会計処理として計上されます。
預り金専用の銀行口座があるわけではありません。

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