年末調整で遭難 ベースキャンプは源泉徴収簿

冬に遭難は危険です。屋内でもです。

白い悪魔に対抗

1年末調整 何のため誰のため
2年末調整 白い悪魔と遭難事故
3年末調整 事故る前にベースキャンプへ

年末調整 何のため誰のため

「年末調整」という文言自体が言葉足らずです。
正確には、給与支払者が給与所得者の源泉所得税を年末に調整(精算)することです。

所得税は正確には「個人所得税」ですし、給与所得者の自己申告が基本形です。

とはいえ大人の事情から、給与支払者(会社)が毎月源泉徴収(天引き)している所得税を年末に調整しています。

源泉徴収(天引き)されている所得税額は、機械的に決めた金額なので調整する必要があります。
よりわかりやすく言えば、給与所得者にとっては年末調整しないと損をすること(所得税の過払いになる)がほとんどです。

年末調整 白い悪魔と遭難事故

年末調整の煩わしさは、年1回のイベントであることに加えて、関与者が急激に増えることです。

会社の経理担当は普段は社内の特定の社員とのみ接することが一般的でしょうし、会計事務所の担当者も通常は経営者とのやりとりが中心です。
ところが、年末調整では社員全員が関与者になるので資料が急激に増えます。

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」・「給与所得者の配偶者控除等申告書」・「給与所得者の保険料控除申告書」のトリオ、さらにふるさと納税や住宅ローンの書類もあったりします。

まさに「白い悪魔」です。

年1回の処理で忘れることも多いのに、資料も急増するので混乱します。
12月は時間の制約もあるときですので、普段よりトラブルも起こりがちです。

まさに「遭難事故」です。

年末調整 事故る前にベースキャンプへ

急増する資料と不慣れな処理で起こるトラブルを避けるために、「ベースキャンプ」を確保しておく方が安全です。

年末調整でのベースキャンプは、「源泉徴収簿」です。

源泉徴収簿は左側に給料など、右側に年末調整の構成です。

社員の方から預かる資料は右側の赤枠に集約されます。

実務上の処理はソフトに入力していくことになりますが、何の処理をやるかをイメージできると遭難事故を防げます。

遭難事故対策に参考にしてください。

 

蛇足
令和2(2020)年10月からは保険料や住宅ローンの控除証明書が電子データ化されるそうで・・・
紙資料が減るのは良いのですが、処理のイメージ化はだんだん難しくなりそうです。

 

 

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