法務省登記所備付地図データを
Google ColaboratoryとQGISで利用する!

情報公開は広まっています。

次の課題は公開されている情報の利用です。

新しいかたちでの利用や参加の機会が増えそうです。

登記所データ 公開手法も更新!?

なんやかんや言われつつ情報公開が進んでいます。

判断や行動の裏づけになるデータには質にも量にも期待します。

2023年(令和5年)1月、法務省「登記所備付地図データ」が
ウェブで公開されました。

私が関わってる税理士業では不動産の登記は対象外業務ですが、
相続との関連で気になる分野です。

興味深い情報公開ですが、上記のアナウンスでは、

  • XML形式
  • GeoJSON形式
  • Githubギットハブ

と見慣れない用語が目につきます。

データを提供している「G空間情報センター」ではGithubへのリンクに加えて、
プログラミング言語 Pythonパイソンの利用が必要ということも示されています。

Githubを参照すると、以下のサイトが確認できます。

「README」を確認すると、以下を利用していくことがわかります。

情報公開や利用のステージが更新されたアップデート印象です。

さて、どうすりゃいいの?(笑)。

登記所データ GithubとGoogle Colaboratory

登記所データの利用手順は、

  • 参照データの取得
  • 入手したデータの変換
  • 変換したデータの利用

と三段階に分けられます。

■1参照データの取得

「G空間情報センター」よりZIP ファイルをダウンロードします。

ダウンロード後、ファイルを右クリック→「展開」します。

この時点では「XML」形式でのデータを入手したことになります。

■2入手したデータの変換

「XML」形式のデータを「GeoJSON」形式に変換します。

Google ColaboratoryでGithubでの指示を実行します。

入力量は多くありませんが、Google Colabでの利用には、
Githubでの指示に追加の処理が必要です。

まず、Googleドライブを使えるようにします。

次にGithubで指示のあったGDALをインポートします。

Githubから変換用の処理をインストールします。

以下は2つの処理はGithubで示されていませんでしたが、
Google Colabでの処理に必要です。

以上の準備が完了した後で、下記でファイル変換を実行します。

第1段階で入手したXMLファイルをアップロードして変換します。

XMLファイルの利用には以下の留意事項があります。

  • Googleドライブに「mojxml」フォルダを作成しておく
  • 上記フォルダは「drive」-「MyDrive」-「mojxml」に置いておく
  • アップロードしたXMLファイルは「mojxml」フォルダに格納する

アップロードしたXMLファイルの三点リーダー‐「パスをコピー」より
変換させるファイルを反映させます。

処理が完了すると、同名の「GeoJSON」ファイルが作成されます。

■3変換したデータの利用

第2段階で変換作成されたGeoJSONファイルは
フリーソフト「QGIS」で利用できます。
 (QGISで公開データを利用する!)

GeoJSONファイルをドラッグ&ドロップすると、
下記の通り表示されます。

お疲れ様でした(笑)。

登記所データ 活用の機会も試行錯誤?

公開情報の充実は魅力です。

紙ではなく、デジタル・ウェブでのデータの提供であれば、
地理や組織規模・資金力での格差は最小化できそうです。

その一方で、デジタル・ウェブでのデータの公開は、

  • データ入手後の処理の能力スキルが不可欠

という側面が強まります。

成果にも期待しつつ、試行錯誤の局面も増えそうです。

本日のサンプルコード

from google.colab import drive
drive.mount('/content/drive')

import gdal

!pip install git+https://github.com/JDA-DM/mojxml2geojson.git

import sys

!sys.path.append(‘/usr/local/bin/mojxml2geojson’)

!mojxml2geojson /content/drive/MyDrive/mojxml/*****-****-**.xml

上記は@YOSHIDASHIROUさんより参考にさせていただきました。

 

蛇足
当初の目論見では、Github→Google Colab→QGIS→楽勝!でした。
ところが、Google Colabの設定で頓挫…。
ChatGPTもPerplexityもGoogleの回答もパッとせず…。
 (質問がズレていたかもしれませんが)
最終的にTwitterで「GeoJSON」で検索して解決でした。

蛇足2
登記所データ公開から1週間程で有志によるGithubのサポートや
データの利用が急速に進んでいます。
データに関わる「専門家プロフェッショナル 」は想像以上の広がりがありそうです。

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